エベレストの頂上にも…プラスチックごみ削減は世界の課題

なぜ海外でレジ袋削減の取り組みが始まっているのか?

レジ袋をはじめ、ストローや容器など幅広い用途で使用できるプラスチックですが、その一方で「海洋プラスチックごみ問題」や「地球温暖化」など、数多くの問題を抱えています。

プラスチックを焼却処分すると、大量の温室効果ガス(CO2)が発生して地球温暖化の原因になります。燃やされずに捨てられたプラスチックは河川によって流され、最終的に海に流れ着きます。

海に流れ着いたプラスチックは海底や波などで削られて小さくなり、直径5mm未満となったプラスチックの粒子や断片のことをマイクロプラスチックと呼びます。

このマイクロプラスチックを餌と勘違いした魚や鳥が飲み込んでしまい、死に至らしめることが特に問題視されているのです。

さらに食物連鎖によって、マイクロプラスチックを体内に残した魚や鳥を人間が食べることで、知らず知らずのうちに人間の体内にもプラスチックが蓄積される危険性があります。

国連の発表では、世界中で使用されるレジ袋は、毎年最大5兆枚であり、1分あたり約1,000万枚と推計されています。さらにプラスチックの材料となるスチレンとベンゼンには「毒性」や「発がん性」があるとされ、人体への健康被害として「神経系」「呼吸器系」「生殖器系」に悪影響があると発表されています。

*出典:国際連合広報センター(https://www.unic.or.jp/files/beat_plastic_pollution_ig_new02.pdf

現在では「エベレストの頂上」「極地の氷冠」「海の最深部」など世界の至るところでレジ袋が見つかっており、世界規模での対策が急務となっています。

進む、レジ袋削減施策…世界60か国以上で始まる取り組み

国際社会では海洋プラスチックごみ問題への対策のため、脱プラスチックの動きが活発となっており、現在レジ袋に関する規制を実施している国は世界で60ヵ国以上にのぼります。

フランス、バングラディッシュ、カメルーンなどはレジ袋の使用そのものを禁止、スウェーデン、南アフリカ、韓国などではレジ袋の有料化が実施されています。

海外でのレジ袋削減の取り組み事例

ここでは、海外のレジ袋削減の取り組み事例を紹介します。

イギリス:レジ袋税

イギリスではレジ袋を削減するため、「レジ袋税」を導入しました。

2015年にスーパーマーケットを対象にレジ袋1枚につき5ペンス(約10円)を課税し、2021年には1枚10ペンスに引き上げ、対象範囲も小売店すべてに拡大しています。

イギリス環境・食糧・農村地域省(Defra)によると、その結果としてプラスチック製のレジ袋の95%以上の削減に繋がったと発表されています。

さらにイギリスでは、レジ袋以外にもプレートやカップ、ウェットティッシュやカトラリーなどの使い捨てプラスチック製品についても禁止に向けて協議を進めています。

バングラディッシュ:レジ袋禁止

バングラディッシュでは、2002年に世界に先駆けてレジ袋禁止を実施しました。

きっかけは国土の大半が水没するほどの大洪水が起こった原因の一つが、レジ袋の大量廃棄によって排水システムが塞がれたことによるものだったからです。

さらに2024年1月までに、レストランやホテルで提供されている使い捨てプラスチック製品を段階的に廃止し、国産のジェート繊維を使った代替品に置き換えていく計画も進めています。

ケニア:レジ袋禁止と禁固刑

この法律は世界で最も厳しい罰則が付いており、プラスチック製の袋を製造・販売・使用すると、禁固刑(最大4年)または4万ドル(約520万円)の罰金を科されます。

さらに国を挙げての観光業によって自国の環境問題が深刻になっていることから、2020年、自然保護区域内でのプラスチック製品の使用が禁止されました。区域内にはプラスチック製のペットボトルやカップ、カトラリーなどの持ち込みも禁止されています。

アメリカ:一部の州でレジ袋禁止

アメリカでは合衆国としてレジ袋を禁止する法律はないものの、コネチカット州・ハワイ州・カリフォルニア州・デラウェア州・ニューヨーク州など、10個の州においてレジ袋禁止の法律が制定されています。

州単位だけでなく、複数の市や郡、都市など一部地域においても、独自にレジ袋を禁止する動きが見られています。

レジ袋=プラスチック削減の取り組みは日本でも…変わりつつある消費者意識

脱プラスチックに向けた世界の動きに遅れを取らないため、日本においても2020年7月1日から経済産業省の主導でレジ袋の有料化が実施されました。

レジ袋有料化の対象は、「プラスチック製買物袋を扱う小売業を営む全ての事業者」とされ、具体的にはコンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなど特にレジ袋の消費が多い事業者が対象とされています。

環境省によって実施された調査では、レジ袋有料化の実施によって「レジ袋の辞退率は80%を超えた」という結果が出ています。レジ袋の金額設定は地域によって異なりますが、仮に1枚3〜5円を払うのであれば「マイバックを持参してレジ袋を辞退する」という傾向も顕著に表れる結果となりました。

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