近年、環境問題への意識の高まりから、徐々に注目され始めているLIMEX。
プラスチックや紙の代替として使える新素材であることは知られていますが、実際にLIMEX素材の製品を見たり手に取ったりしたことがある方は、それほど多くはないのではないでしょうか。
そのようなLIMEX製品ですが、実際には私たちが身の回りで既に広く普及しており、もしかすると、あなたが知らないうちに、LIMEX素材の製品を手に取っていたなんてこともあるかもしれません。
この記事では、年々拡大しているLIMEXの導入事例から、LIMEXを取り入れるメリットについて取り上げます。
目次
今、話題沸騰中のLIMEX（ライメックス）とは
まずは、LIMEXをご存じでない方のために、LIMEXの概要について解説します。
LIMEXとは、プラスチックや紙の代替素材として注目されている、石灰石を主原料とした次世代の新素材です。
石灰石は枯渇リスクが低い鉱物資源であり、化石燃料が主原料であるプラスチックのように、焼却時に大量のCO２を排出しません。
また、紙のように大量の森林資源や水を必要としない点も、LIMEXが次世代の新素材として注目されている理由です。
LIMEXの導入事例４選
高い耐水性と耐久性があるLIMEXは、その用途も幅広く存在します。
LIMEXの 導入事例１［メニュー表］
大手寿司チェーンである「スシロー」や、牛丼で知られる「吉野家」では、店舗で使用されているメニュー表に、LIMEX製のメニュー表を採用しました。
飲食店ではつきものである、食べ物や飲料水によるメニュー表の劣化ですが、汚れや水分に強いLIMEXでは、これらの問題を解決することができます。
大手ファミリーレストランである「ガスト」では、グループ内で運営されている40店舗のメニュー表を、試験的にLIMEX製のメニュー表に切り替えました。
これにより、500mlのペットボトル50万本分の水と、約57本の木が保全される効果があったとされています。
LIMEXの 導入事例２［レジ袋・バッグ］
2020年より有料化されたレジ袋ですが「佐藤製薬株式会社」では、自社製品を取り扱う販売店のレジ袋に、LIMEX素材のバッグである「LIMEX Bag」を採用しました。
佐藤製薬株式会社は、今回、レジ袋をLIMEX製に切り替えたことによって、年間で石油由来プラスチックの使用量を約40%、そして温室効果ガスの排出量を約11%削減できる効果があるとしています。
他にも、「野村證券」では、LIMEX Bagを自社で使用するコーポレートバッグに採用するなど、LIMEXは業種を超えて広く普及し始めています。
LIMEXの 導入事例３［容器］
フードデリバリーを展開している「GOFOOD」では、デリバリー用の食品容器に「LIMEX Pellet」を採用しました。
LIMEXで作られた容器である「LIMEX Pellet」は、耐水性はもちろんのこと、耐熱効果もあるので電子レンジでの使用も可能です。また、LIMEX Pelletは油染みしないため、油を使った料理にも対応しています。
プロバスケットボールチームである信州ブレイブウォリアーズを運営している、「株式会社信州スポーツスピリット」では、試合会場で観客に提供するアルコール用の飲料カップに、LIMEX Pelletを採用しました。
プラスチック製容器などを製造している「旭化成パックス株式会社」でも同様に、飲料カップにLIMEX Pelletを採用するなどしており、プラスチックの製造を事業としている会社においても、LIMEXは注目され始めています。
LIMEXの 導入事例４［マスクケース・マスク］
インターネットサービスで知られる「ビッグローブ株式会社」は、新ブランドで配布するノベルティーグッズとして、LIMEX製のマスクケースを採用しました。
このマスクケースは抗菌性を備えており、マスクを清潔に保管できるとして、既に130万枚（2021年7月時点）の販売数を達成しています。
また、LIMEX製のマスクである「Bio Face」という製品も既に開発されており、LIMEXの製造工場がある宮城県白石市では、ふるさと納税返礼品として、このLIMEXの「抗菌マスクセット」や「LIMEX文房具」を採用しています。
LIMEX導入でSDGｓへ貢献
企業がLIMEXを導入する最大のメリットとして、「SDGs（持続可能な開発目標）」への貢献があります。
SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された、「17の目標」と「169のターゲット」で構成された、持続可能な世界を実現するための目標です。
LIMEXを導入することで、企業はこのSDGsの17の目標のうち、少なくとも5つの目標に貢献することができます。
また、SDGsへ取り組むことで、環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）の頭文字を取った「ESG」に配慮している企業として、企業イメージの向上が期待できます。
世界では、ESGに配慮した取り組みを行っている企業に投資する、「ESG投資」の規模が年々拡大しているので、企業にとってSDGsに取り組むことは、会社の長期的なイメージ戦略や、経営基盤の強化にもつながるでしょう。
