LIMEX Sheet｜導入のメリットと活用事例5選

近年、注目されている次世代の新素材「LIMEX」

プラスチックや紙の代替が可能であることから、持続可能な開発目標であるSDGsや、脱炭素社会の実現へ貢献する可能性が期待されています。

この記事では、LIMEX素材の製品である「LIMEX Sheet」を導入するメリットから、実際の用途事例を解説します。

LIMEX Sheetは、主に紙や石油由来のプラスチック製シートの代替として利用することができる新素材です。

耐久性に優れており、油や水分に対する防油・防水性も備えているため、幅広い用途で利用することが可能です。

また、廃棄時には回収して再形成することで新たな製品へと再生利用することができるため、環境問題に貢献する製品として注目されています。

LIMEX Sheet は森林資源を大量に必要とする紙と比べ、木材を一切使用せず、水もほぼ使わずに製造することができることから、森林破壊や工業用水の排出に伴う環境汚染を未然に防げます。

同シートのひとつである「LIMEX Sheet ソフト」であれば、原料調達時からリサイクル処理における温室効果ガスの排出量が、石油由来のプラスチック製シートであるポリエチレンテレフタレート（PET）の、約4分の１まで削減することが可能です。

また、LIMEXの主原料である石灰石は、日本国内だけでも580億トンの埋蔵量があり、日本では自給率がほぼ100％の鉱物資源です。LIMEXを利用することで、枯渇リスクの高い化石燃料の消費量の削減にも繋がります。

企業、団体問わず既にLIMEX Sheetの導入は進んでおり、認知度の上昇とともに徐々に活用事例が増加しています。

企業への防災コンサルティングを行っている株式会社遠藤防災事務所では、同社の防災用品カタログに「LIMEX Sheet 80μm」を採用しました。

同シートは1枚当たりの厚さが80μmと、一般的なコピー用紙と同程度かやや薄めの製品となっており、オフセットやデジタル印刷などに対応しており、チラシやマップとしても利用することが可能です。

牛丼チェーン吉野家では、店舗で利用されるグランドメニュー表にLIMEX Sheetを採用しました。飲食店のメニュー表は多くの人が手に取りますし、飲み物や食べ物による汚れによって劣化が進みやすいため、耐久性や防水・防油性が求められます。

LIMEX Sheetではそれらの特性を全て備えているため、吉野家以外の飲食店でも既に多くの企業でメニュー表として導入されています。

山形市観光協会および蔵王温泉観光協会が共同で制作している「蔵王トレッキングガイドマップ」の素材に、LIMEX Sheet 80μmが採用されました。

耐久性および防水性に優れている点が評価され、天候の変動が激しい山岳地帯のマップに適しているとのことから今回の採用が決まったとのことです。

紙と比べて色の再現性に優れているので、風景写真などを鮮明に印刷することができます。

企業のIRなどを支援する株式会社プロネクサスでは、総合報告書にLIMEX Sheetを採用しました。

また、田中貴金属を傘下に持つTANAKAホールディングス株式会社においても、CSR報告書にLIMEX Sheetを採用しており、社内資料としての同シートの普及が進んでいます。

株式会社セブン＆アイ・フードシステムズでは、2019年よりLIMEX Sheetで製造された名刺を社内に導入しました。

LIMEX製の名刺は、通常の紙で製造された名刺と比べて、1箱100枚あたり約10Ｌの水を削減することが可能です。従来の名刺とは異なる素材のため、会話のきっかけとして活用することもできるでしょう。

LIMEX Sheetの導入による環境問題への貢献はもちろんですが、同シートの導入によるメリットはそれだけではありません。

近年、急拡大している市場に「ESG投資」があります。

ESGとは、「環境（Environment）・社会（Social）・ガバナンス（Governance）」の頭文字から作られた言葉です。

そのESGに配慮している企業に投資を行うESG投資の規模は、2018年時点で既に3,100兆円を超えており、世界の投資額の3分の1の規模にまで拡大しています。

世界各国が積極的に環境および人権問題の解決に取り組んでいる背景から、ESGへの配慮の有無を投資基準のひとつとして設けている機関投資家も存在しています。

LIMEX Sheetのような環境問題に貢献する素材を導入することで、企業のブランドイメージの向上や、新たな投資の呼び込みにも繋がる可能性があるため、企業にとっては中長期的な経営基盤の強化になるでしょう。