脱プラで地球温暖化解決…は本当か?数字で見る環境問題

2022年脱プラの取り組みと地球温暖化の現状

地球温暖化の原因のひとつであるプラスチックごみの排出量。私たちが暮らす日本では世界的に見ても、排出量はTOP5の上位にあたり、問題視し、行動をするべきだということは目に見えて分かります。では、この排出量が地球温暖化にどれくらい影響するのかはご存じでしょうか。

大量のプラスチック製品の生産や廃棄をする過程で、大気中に二酸化炭素が排出され、地球温暖化が加速し、人間や生命体が暮らす上で不利になる様々な環境問題を引き起こす為、地球規模で問題視されています。

そもそも地球温暖化の原因である温室効果ガスは、石油や石炭などを燃焼した時に発生する炭素の事をいい、その代表が二酸化炭素です。二酸化炭素の濃度が上がると、太陽熱で温められた地球の地表から出た赤外線を吸収し、温室効果が高まってしまいます。

2022年時点での二酸化炭素排出量は過去最高の約34.6ギガトンに到達し、2019年のCOVID-19前の水準を0.5%上回ると予測しているという調査もあるようで、ますます私たちがこの問題の深刻さに気付き、着手することが重要となります。

数字で見る環境問題

問題点に着手し改善に向けて多くの企業が対策をしています。
食品業界における脱プラスチックの取り組み内容を例に挙げて、その対応が二酸化炭素排出の削減にどう影響しているのかをまとめました。

食品業界における2022年脱プラスチックにおける取り組み例

① リデュース
食品用ラップフィルムやトレイ、ペットボトルにおける軽量化の取り組み
② リサイクル
容器包装リサイクル法に基づく再商品化を実施。
工場で発生したプラスチックごみをリサイクルし、さらにそのリサイクル品を工場で使用。
③ 代替素材の導入
容器包装の材料をプラスチックから紙、再生プラスチック、パイオマスプラスチックなどに変更する動きを導入。

取り組みによる二酸化炭素排出量の削減量

① リデュースによるプラスチック生産量の削減量
マヨネーズ容器の重量10~15%削減、しょうゆペットボトル容器の12%軽量化、菓子パンの包装フィルムの7%を薄肉化など、様々な食品販売時に使用されるプラスチックの削減に努めています。
下記の二酸化炭素の排出量計算方法に基づいても、リデュースの対策による排出量削減の成功をしていると言えます。

排出量(kg-CO2)
=プラスチックごみ焼却量(t)×炭素排出係数(kg-C/t)× 44/12(kg-CO2/kg-C)

② リサイクルによる二酸化炭素排出量の削減例
2019年度のデータで、日本で利用されている再生ペットボトルの、ライフサイクルの二酸化炭素総排出量は2,059千トンでした。リサイクルや再利用がない場合は3,528千トンの排出量の為、約42%減と大幅に環境負荷を抑える結果となりました。

③ 代替素材の導入による二酸化炭素排出量の削減例
紙で生産された容器包装は、再利用するために向いていると言われていますが、ライフサイクルで二酸化炭素の排出量を見た場合、実はプラスチックの約2倍になると言われています。再生ペットボトルでは、②の結果からも大幅に排出量の削減に成功しており、パイオマスプラスチックに関しては、焼却時に二酸化炭素排出されますが、原料となる力物の光合成で同じ量の二酸化炭素が吸収されることにより、足し引きゼロとなります。


数値化して見た時に、二酸化炭素排出量は削減へ向けて大きく影響しているように見えますが、部分的には改善の余地はあり、さらなる削減に向けて対策をしていく必要があります。

問題を可視化するために大企業を中心にLCA導入を実施し、商品・サービスの生産から廃棄までのライフサイクルの中での温室効果ガスの排出量を把握することで、改善の実行をしているのでより多くの企業が導入をすることで大幅な二酸化炭素削減を見込めます。

また、代替素材の導入部分でいうと、石灰石が原料のLIMEXの導入を増やすことも選択肢の一つに加えることができるでしょう。

まとめ:プラスチックの生産量削減を目指した取り組みは必須課題

単にプラスチックの使用量を減らすだけでは、余ったプラスチック製品の在庫問題や、プラスチック以外の温室効果ガスを排出する原因から目を逸らしているだけにすぎません。
プラスチック生産量自体も減らし、地球温暖化に関わる原因となるものをできるだけ減らし、代替となる資源を取り入れ、一人ひとりが問題を可視化できるようにする対策も求められています。
企業ごとに環境問題に携わる対応を数値化した形で明確にHPやSNSなどで発信していくことで、ユーザー側が何を選び、どのように行動すべきか明確になります。

そういった発信が、さらなる企業の信頼に繋がり、地球温暖化を防ぐ道筋を作ることができるでしょう。

LIMEX
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