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「地球温暖化」とその問題点
地球温暖化とは、人間の活動によって二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが排出され、地球の平均気温が上昇する現象を指します。
地球温暖化が問題となっている理由は、世界各地の気候条件が変化することで海面の上昇、砂漠化の進行、台風の大規模化などを引き起こし、難民の増加や食料不測の深刻化など多くの深刻な問題を引き起こしてしまう点にあります。
地球温暖化が起こる原因・メカニズム
地球温暖化が起こる原因は、人間の活動によって空気中の温室効果ガスが増加することで起こります。
地球温暖化が起こるメカニズム
太陽からの熱エネルギーを受けて、地球の地表は温められています。さらに地表から反射した熱エネルギーを温室効果ガスが吸収することで大気が温まります。
温室効果ガスは太陽の熱エネルギーを地球に留めておくために必要で、もし温室効果ガスがなかった場合、地球の平均気温は氷点下19℃にまで下がってしまうと言われています。
しかし、人間が生活の中で化石燃料の使用や森林の伐採を行ったことにより、温室効果ガスの濃度が急上昇しました。その結果、温室効果ガスによる温室効果がこれまでより強くなり、地上の温度が上昇し続けたことで地球温暖化が進みました。
先進国など一部地域の二酸化炭素排出によって世界中で温暖化が引き起こされている
温室効果ガスと呼ばれるガスには、二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素などがあります。
しかし今現在、世界中で排出されている温室効果ガスのうち、二酸化炭素が占める割合は約80%にのぼります。
この二酸化炭素の排出量は、国や地域ごとに大きく異なります。
2016年に排出された二酸化炭素は、世界約190ヵ国の合計でおよそ323億トンですが、このうちの70%近くは先進国を中心とした十数ヵ国の排出が占めていることがわかりました。
特に国民一人当たりの二酸化炭素の排出量では、先進国が途上国の3倍以上の排出量に達することもわかっています。
つまり、世界中で二酸化炭素の排出量が増えて温暖化が進んでいる原因は、先進国など一部地域に住む人々が、石油や電気を大量に使う生活をしていることにあると言えます。
そして、地球温暖化によって深刻な被害を受けている人々の多くが、地球温暖化の原因をほぼ作っていないといえる、途上国に住む人々なのです。
こうした地球温暖化は環境問題であると同時に、貧困の格差の問題とも言われています。
自然が吸収できる二酸化炭素の許容量を超えている
地球温暖化の原因は、二酸化炭素の排出量の増加だけでなく、森林破壊も大きな問題となっています。
森林破壊が広がる要因としては、木材としての利用や農地の拡大などがあります。
しかし、森林の伐採や焼畑農業のための火災、農地開発のための土地改変等が進むことでも二酸化炭素が排出され、こうした目的での二酸化炭素の排出量の割合は世界中の4分の1を占めるとも言われれています。
こうして森林が破壊されると、二酸化炭素の吸収源が失われてしまうため、地球温暖化がさらに加速してしまいます。
森林や海洋などの二酸化炭素の吸収源が、一年間に吸収する二酸化炭素の量は約180億トンと言われています。
ですが、森林伐採によってこの量は年々減少していると共に、現在世界中で排出されている二酸化炭素の量は約340億トンと、吸収できる許容量をはるかに超えている現状です。
「ここ数年暑い気が…」は間違っていない!急激に変わった平均気温とその推移
環境省の発表では、1880年から2012年の間に世界の平均気温は0.85℃上昇しました。特に過去30年の各10年間は、1850年以降のどの10年間よりも高温を記録しています。
そして季節要因などを除外した温度変化を科学的根拠に、地球温暖化の進行については「疑う余地がない」とも言及しています。
今以上に有効な温暖化対策を取らなかった場合は、20世紀末頃(1986年~2005年)と比較して、21世紀末(2081年~2100年)の世界の平均気温は2.6~4.8℃程度上昇すると予想しています。
もし厳しい温暖化対策を取った場合であっても、0.3~1.7℃上昇し、その結果として平均海面水位が最大82cm程度上昇すると予測されています。
参考:環境省 地球環境局