地球温暖化やその問題が叫ばれだして、随分と経ちました。
毎年どんどん暑くなっていたり、冬が短くなったりしているように感じているのは、決して気のせいではなく、地球全体の深刻な問題となっています。
そんななか「地球沸騰化」というワードが話題になっているご存じでしょうか?
この記事では、もはや「温暖化」ではなく「沸騰化」の警鐘が鳴らされている今の深刻な状況をご紹介していきます。
地球沸騰化とは?
地球沸騰化というワードをはじめて聞いたという人もまだたくさんいると思います。
地球の気温上昇については、かつてより「地球温暖化」としてその深刻さや危険性が叫ばれていましたが、さらに深刻な状況として「地球沸騰化」といわれるようになりました。
この言葉は、2023年、国連の会見において「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代となった」とグテーレス事務総長が発言したことで、非常に注目を集めました。
従来の気候変動対策ではなく、さらに対策を加速させることが急務であることを示す「地球沸騰化」。実際に日本でも2023年夏の気温が40度を超えたエリアもあり、海外ではアメリカ・デスバレーで53度を観測するなど、異常ともいえる気温上昇が地球のあちこちで起こっているのです。
地球沸騰化は、私たち日本人にも大きな責任がある
地球の気温が上がってしまう危険性については、かつてから叫ばれていたもので、これまでも各国が取り組みをしてきたはずです。
しかしながら、その結果としては、不十分であったということ。
地球が急速に気温上昇を続けるのには、日本を含むG20(20の国と地域)の責任が非常に大きいことから目を背けてはなりません。
気温上昇の原因としてあげられている、温室効果ガス。
そのガスの排出量を減らすことがかねてから大きな課題となっていましたが、現在でもその排出量は増え続けています。直近では2000年~2010年の10年間で約100億トンも増加しているのが現実。
G20は、温室効果ガスの約80%を排出しているため、年々気温が上がり続ける地球沸騰化の責任は非常に大きいといえるでしょう。
地球の温度が上がりつづけるリスク
気温が上がるリスクとして、異常気象があげられます。
近年、異常気象による被害をニュースなどで耳にすることが増えたと思いませんか?
四季があり比較的おだやかとされていた日本国内でも、年々自然の猛威にさらされる危険が高くなっていると感じている人も多いことでしょう。
そしてそれは、世界に目を向けても同じです。 異常気象による災害が増加傾向にあることには間違いなく、1970年から2019年の50年間で5倍にまで増えているというデータもあります。
また、二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスは、特に排出量の多い国々が積極的に削減に向けた対応をしていかないとされていることは、周知のことでしょう。
例えば、パリ協定では「2030年までに2013年度比で46%の二酸化炭素を削減する」と日本も目標を掲げています。
しかしながら、企業や個人の活動などによって、その目標までには程遠い状態のなっているのが現実。
そして引き起こされた異常気象によって、個人はもちろん、企業活動にも深刻なダメージを及ぼしているのです。
「地球沸騰化」という言葉は、単に気温上昇の危険性を提示しているものではなく、気温上昇によって引き起こされるものが、結果的に私たちに大きなダメージをもたらしてしまう恐ろしさを表しているということを忘れてはならなりません。
地球沸騰化から、目を背けてはならない
深刻な気温上昇は、私たちに間接的なダメージだけではなく、直接的にダメージをもたらしています。
命の危険もはらんだ熱中症のリスクは年々上がり続けていますし、作物の不作によって物価が上昇したり、異常気象によって大きな被害を被ったりすることもあるでしょう。
いくら国や企業が努力をしたとしても、結局のところ私たち個々人が行動を変えなければならないという自覚が必要です。
「使い慣れているから」という理由でプラスチックストローを選んだり、「どうせ家で使うかもしれないし」という理由でエコバックを持参せずレジ袋を購入したり、「面倒だから」という理由でごみの分別をついおろそかにしてしまったり、「安いから」という理由で合成繊維の服を購入したり……
ポイ捨てや不法投棄などといった明らかにやってはいけないことをやっていない、という人でも、日常の小さな行動を振り返ってみると、やはりまだ見直すべきところがあるのではないでしょうか。
企業も、私たち消費者のニーズがあると判断するとそういった商品を製造・提供し続けてしまう、負のスパイラルとなってしまいます。 「地球沸騰化」という私たちがすでに体感しつつも目を背けがちな問題の解決のためにも、まずは私たち自身が小さな行動から確実に変えていく決意が必要といえるでしょう。