地球環境のためには、どんなことができるでしょうか?
その1つが、今回ご紹介する「ネイチャーポジティブ」やそのための取り組みです。
私たち人間も地球の多くの生き物に支えられているからこそ。そこのことを考え、改善していくためにはどのようなことが必要なのでしょうか。
目次
ネイチャーポジティブ(自然再興)とは
ネイチャーポジティブ(自然再興)とは、生物多様性の損失を止め、自然を回復軌道に乗せることです。
私たち人間の活動が多くの生物(動植物)を危険にさらし、こうしている今も絶滅の危機に瀕している命が数多くあります。
ネイチャーポジティブ宣言は、環境省のJ-GBF(2030生物多様性枠組実現日本会議)が呼び掛けている取り組みで、企業、地方公共団体、NGO等が2030年に向けたネイチャーポジティブへの取り組みを宣言しています。
J-GBF(2030生物多様性枠組実現日本会議)とは
J-GBF(2030生物多様性枠組実現日本会議)は、2011年11月に設立された組織で、主に生物多少性を保全するための目標達成に貢献することを目的とした組織。
2011年からの10年間にわたって活動してきたUNDB-J(国連生物多様の10年日本委員会)の後継組織として、次の10年の取り組みを掲げ活動を行っています。
ネイチャーポジティブのためには、企業・団体だけでなく、個人の意識・行動を変えていくことが必要。
J-GBFは、ネイチャーポジティブ実現のための情報発信のためにイベントやフォーラムを開催するなど、さまざまな取り組みを行っています。
いまも地球上から生物たちが消えている…
地球上から絶滅してしまった動物は、決して少なくありません。
近年では、1年間に40,000種もの生き物が絶滅しているというデータも。いまも世界あるいは日本のどこかで絶滅の危機に瀕している生き物がたくさんいるのです。
日本国内だけでも「絶滅危惧種」は数多くいます。
例えば、以下の通りです。
採取・乱獲によって絶滅の危機にある生き物
・ツシマテン
・トキ
・アホウドリ
・アカウミガメ
開発によって絶滅の危機にある生き物
・アべサンショウウオ
・ハクバサンショウウオ
・ムツゴロウ
・キタノメダカ
環境汚染によって絶滅の危機にある生き物
・カブトガニ
・カワシンジュガイ
・イチョウウキゴケ
・マリモ
ここに挙げたのはごくわずかな一例。
環境省のレッドリストでは、なんと3772種が絶滅危惧種としてリスト化されているのです。
生物多様性が失われると、私たち人間にどう影響するのか
生物の多様性が失われると、私たち人間にはどのような影響があるのでしょうか。
私たち人間の暮らしは、ほかの生き物たちと同様に生物多様性によって支えられています。
人間の活動が地球環境に及ぼしている悪影響についてはすでに多くの人が知っての通り。開発や環境汚染などによって、絶滅・生態系の変化などバランスが崩れてしまっているのが現状です。
生物多様性によって与えられる恩恵を「生態系サービス」といい、「供給サービス」「調整サービス」「文化的サービス」「基盤サービス」の4つの恩恵に分類されます。
食料や水などの生きるための資源を共有してもらったり、二酸化炭素を木々に吸収してもらうことで気候を調整してもらったり、精神的な満足感を与えてもらったり……と大きな恩恵を受けています。
こういった一方で、私たち人間の活動は、地球に大きなダメージを与え続けているため、今のような結果となっているのです。 生物多様性の危機は、いずれ地球上の生物の一種である私たち人間にとっても絶滅の危機となることから、決して目を背けてはならないでしょう。
ネイチャーポジティブのために私たちができること
企業や団体では、ネイチャーポジティブのために、エネルギー消費の見直しや環境保全に向けた活動を行っています。
私たち一人ひとりも同様に、ネイチャーポジティブにむけた取り組みが必要です。
例えば、リサイクル品など環境に配慮した製品を選択することや、省エネルギーへの取り組み、食品の廃棄を減らすことも非常に有効です。
一人ひとりの行動の積み重ねが、地球の未来・私たちの未来を変える。
まずは、2030年に向けたネイチャーポジティブの目標に向けて、今日から少しでも生活や行動を変えてみませんか。