地球温暖化による影響の1つに、海面上昇があげられます。
海面上昇によって、海に沈む国が予想されたりしていることは、今や多くの人の知るところでしょうが、実際に私たちの身近でも問題は起こりうるのでしょうか。
海面上昇による被害が出ている国や地域の現状
海面上昇とは、文字通り海面が高くなってしまうことで、その主な原因として氷河が溶けてしまったり海水が膨張してしまったりすることがあげられます。
地球温暖化による気温上昇によって引き起こされる現象で、ツバルをはじめとした多くの国や地域がすでに大きな被害を被っています。
海面上昇によって被害を受けている主な国や地域
・ツバル
・キリバス
・トケラウ
・モルディブ諸島
・チャゴス諸島
・マーシャル諸島
海面上昇による被害は浸水だけではない!
海面上昇による被害は、浸水だけではありません。
例えば、現に海面上昇による被害が進んでいるエリアでは、標高が低いことで高潮などの被害を受けやすくなっており浸水被害を受けてしまったり、塩害によって農作物にダメージを被ったりしてしまっています。
また、海水が流れ込むことによって、水不足の影響も出ているのです。
海面上昇の影響を受けている国や地域に住む人たちは、その場所に住むことが困難になるだけではなく、健康で安全な暮らしを維持することさえ厳しくなっているのが現状です。
今後、日本も海面上昇の影響を受ける?
私たちには、まだ海面上昇の影響はないと言えるでしょうか。
実際に、日本の特定の島やエリアが海面上昇による大きな被害を受けた……というニュースはまだ耳にしていませんが、昨今の異常気象は多くの人が被害を被っていることでしょう。
大雨や高潮による浸水はもちろん、農作物が不作となったことで値上がりの影響を受けることはすでに珍しくはない状況ではないでしょうか。
また、現に日本沿岸の海面水位は、1980年以降上昇傾向にあるといわれています。
しかし、データのある1906年以降でみると上昇傾向にはないのが現状で、地殻変動などによる周期変動も要因として挙げられていますが、地球温暖化の影響を否定できるものではないようです。
つまり、現時点では、日本が地球温暖化による海面上昇の影響を受けているとは言い切れない状況ではあります。しかし、世界に目を向けると平均海面水位は上昇しているなどの理由から、日本にもその影響があると考えられ、21世紀末にかけて水位は上昇すると予測されているのです。
海面上昇は私たちの暮らしを奪ってしまうかもしれない
すでに海面上昇の被害を受けている国や地域がある以上、この問題は目を背けてはならないことは明白でしょう。
いま日本で大きな被害がなくても、例えば、海外で農作物が不作となってしまうと、輸入価格や輸入量に影響が出るのは必然ですし、あるいは何も対策を講じないことで将来的な災害につながってしまうことは言うまでもありません。
特に地球温暖化の問題においては、先進国の経済活動に起因するものが大きいのにも関わらず、被害を受けるのは地球に暮らすすべての人や生き物たちなのです。
そのことから目をそらさずに、いま自分たちにできることは何なのかを真剣に考えるべき時が来ているのではないでしょうか。