ぬか漬けが地球を救う?!フードロス削減に注目される発酵食品

フードロスは、環境問題にも影響をおよぼすとして、現在世界中で問題視されています。

また、フードロス問題を解決し、地球温暖化にも役立つとして、近年ぬか漬けをはじめとした発酵食品が注目を集めています。

食品を大切にしていますか?

人々が健康に暮らしていくためには、多くの食料が必要です。

現在、世界ではフードロスが大きな問題となっています。

世界で問題になっているフードロス(食品ロス)問題

現在食品ロスは世界中で大きな問題となっています。

食品ロスは主に2種類あります。

1つは、料理の食べ残しや使用されないまま捨てられてしまう食品など、家庭から排出される家庭系食品ロスです。

もう1つは、飲食店で発生する食べ残しや小売店の売れ残りや返品などの事業系食品ロスです。

世界中で問題となっている食品ロスを解決するためには、どちらか一方を解消すれば良いというわけではありません。

家庭系食品ロスは、全体の約47%を占めています。

そのため、一人一人が毎日の暮らしの中で意識していけば、食品ロスの削減効果も期待できるでしょう。

日本の食品ロス量は、約523万トンといわれています。

食料支援機関である国連WFPが2021年に行った食料支援量は、約440万トンであり、約1.2倍もの量が消費されないまま廃棄されているのです。

約523万トンを国民一人当たりの食品ロス量として換算すると、毎日おにぎり約1個分の食品を廃棄している計算になります。

貧しい国々へ配られる食料よりも日本で廃棄される食品が多い事実を受け止め、現状を変えていくために一人ひとりがフードロス問題について考える必要があります。

フードロスが地球温暖化を引き起こす?

フードロス問題は、本来食べられるはずのものが廃棄されるだけではなく、ゴミを焼却する際の二酸化炭素の排出が地球温暖化を引き起こすとして問題視されています。

食品のように水分を多く含むものを焼却するときには、多くのエネルギーが必要です。

また、処理コストもかかります。

廃棄物を焼却する際に発生する二酸化炭素や、焼却後の灰を埋め立てる土地の問題も発生しています。

もしも食品ロス問題を解消し廃棄量を約100トン削減できれば、約46トンの二酸化炭素の削減が可能です。

フードロスを解決するために、私たち一人ひとりができることを知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

多くの企業が発酵食品に注目し始めている

近年発酵食品が食料環境問題を解決するとして注目を集めています。

空気中や食物についている乳酸菌や麹菌酵母などの微生物の作用によって、食物が変化することを発酵といいます。

持続可能かつコスト削減が可能であるとして期待されているのが、バイオマス発酵と精密発酵です。

バイオマス発酵とは、微細藻類や真菌タンパク質などと他の栄養素を組み合わせて発酵させ短時間でタンパク質を作り食品にする技術です。

またバイオマス発酵に続く最新技術として期待が高まっている精密発酵は、食品を生成するのではなく特定のタンパク成分を生成する技術を指します。

タンパク質やタンパク質食品を自由に作れるようになれば、牛や豚鳥などを殺す必要もなくなり、動物を飼うための土地や餌水なども不要になります。

そのため、フードロス削減にもつながると期待できるでしょう。

日本でも家庭で使用せず廃棄される酒粕や生しょうゆ、味噌で使う米麹を混ぜ合わせ、再発酵させた漬物のもとや廃棄予定の無農薬レタスの漬物などが開発されています。

発酵食品は、国内外問わずフードロスの解消につながるとして注目を集めています。

家庭でのフードロス解決策に「発酵食品」を取り入れてみよう

私たち一人ひとりが暮らしの中でできるフードロス解決策として、発酵食品の活用が挙げられます。

日本に古くからあるぬか漬けもSDGsにつながると考えられています。

米ぬかに余った野菜を入れるだけで栄養価が高まるだけではなく、食品の廃棄量削減にもつながるでしょう。

よく野菜を腐らせてしまった経験がある方は、ぬか漬けを利用するとフードロス削減に貢献できます。

発酵食品づくりは地球にもお財布にも優しい

日本政府は、2030年度までに、家庭での食品ロスと事業での食品ロスをそれぞれ2000年度と比較して半減させることを目標に、さまざまな取り組みを進めています。

近年、食品ロスの量は減少傾向にありますが、目標を達成するためには、さらに一人ひとりが、食品ロスや環境問題に目を向けて、積極的に取り組みを進める必要があるでしょう。

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