「それ、本当のSDGs?」矛盾を生まない取り組みのために必要なこととは

SDGsの現状と日本の主要課題

世界的にSDGs課題を掲げ、取り組みや対策を積極的に進めていることは、私たちの日常生活の中でも感じられることが多くなってきたのではないでしょうか。日本では多くの大企業を始めとし、SDGsバッチの着用やテレビCMでの取り組みなどアピールの露出が目立つようになってきました。

実際のところ、SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)での発表によると、課題への達成度の順位やスコアは昨年2021年と比べて、ランクダウンしている現状と、達成している目標は3つと少なく、これから更なる課題への取り組みの強化や見直しが必要とされています。

しかしながら、注意点として、環境に配慮しているとアピ―ルをしているにも関わらず、実態は見せかけだけで何も問題の取り組みを進めていない「SDGsウォッシュ」と呼ばれる企業や組織も存在することは否めません。 そういった企業や組織を生まないためにも、私たちが暮らす日本で、主要の課題だと位置づけられたSDGs目標12~15について着目していきましょう。

SDGs目標12 |つくる責任 つかう責任

持続可能な生産と消費を確保することを指すこの目標ですが、商品生産量と廃棄物処理にあたり、私たちが暮らす日本では、限りある資源を使い、大量生産・大量消費を続けてきました。特に食品に対する取り組みはSDGs12.3で示されているように、2030年までに小売・消費レベルにおける一人あたりの食品廃棄物を半減させることを目標としていますが、日本ではまだまだフードロスの問題は解決されておらず、1年で廃棄される食品の量はプール約2万個にも及ぶそうです。

SDGs目標13 |気候変動に具体的な対策

温室効果ガスの排出により地球温暖化が進み、世界各地で気候変動が起こった影響で、様々な災害や資源不足、経済的打撃を引き起こしました。そういった被害を軽減するべく対策を打つことを目標としています。気候変動の原因である二酸化炭素の排出量が挙げられますが、日本の二酸化炭素排出量は中国やアメリカに続いて5番目に多い国で、問題視されています。

SDGs目標14 |海の豊かさを守ろう

地球の約7割である海に住む、海洋と沿岸の生態系の保全と持続可能な利用を推進し、海洋汚染を防ぎ、海洋資源を保つことを目標としています。驚くことに世界では年間900万~1400万トンものペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみが海に流されており、日本ではSDGs17つの目標の中でも、達成度が一番低く、目標値から50%ほどの達成率で対策が不十分と評価されています。

SDGs目標15 |陸の豊かさを守ろう

陸域生態系の保護や回復、持続可能な森林の経営を実行することで陸の豊かさを守り、砂漠化を防いで、多様な生物が生きられる環境を守ることを目標とします。暮らしの利便性が進むにつれ多くの森林面積が破壊され、世界全体で見ると日本国土の14%が毎年地球から森林がなくなってしまっています。

日本の状況で言うと、オオカミの狩猟が進み、その餌となる鹿が狙われなくなり爆発的に増加したことにより、鹿が樹皮を食べつくし樹木が枯れて土地が枯れてしまうことで山の豊かさが失われています。また、建設資材としての木材の需要が高いため、森林伐採が進み、人工林の割合が約40%を占めていることで、土砂災害の防止や水源涵養機能が発揮されない問題があります。

こういった問題を防ぐために、一体私たちは何ができるでしょうか。

問題に向き合い、取り組みを進めている企業の取り組みを参考にしてみましょう。

企業のSDGs取り組み事例

事例①【SDGs目標12取り組み】セブン&アイ・ホールディングス

誰もが一度は利用したことがある大手コンビニやイトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングスは、店頭でペットボトルを回収し資源循環をさせ、消費者が必要な分のみ購入できるばら売りを採用しました。また、店舗の廃棄物を肥料化し、その肥料を利用して育てた野菜や果物を店舗販売しています。廃棄物を出さないサービス展開と、リサイクルや廃棄物の再利用の2方面から取り組みを進めています。

事例②【SDGs目標13取り組み】パナソニック

日本の大手電機メーカーであるパナソニックでは、創るエネルギーと使うエネルギーの両方の削減を目指し、多くの取り組みを進めています。工場から排出された廃棄物の徹底した分別で資源化・省エネルギー化に取り組みました。それにより、工場廃棄物の排出をゼロにするゼロエミッション化を達成に成功しています。また、安定した温度で地熱の効果のある床下の空気を取り込み、高性能断熱材で包み込む「家まるごと断熱」の開発などで、省エネに貢献しています。

事例③【SDGs目標14取り組み】株式会社TBM

2011年に創業した新素材メーカーである株式会社TBMでは、石灰石が原料で、紙とプラスチックの代替素材「LIMEX」の開発をしました。石灰石は、枯渇する心配がない資源とされており、リサイクルも可能なため多くの企業や組織から注目を浴びています。日本だけでなく世界的にも成長を遂げていることから、大規模なプラスチックごみ問題の低減を見込めます。

事例④【SDGs目標15取り組み】公益財団法人イオン環境財団/フロムファーイースト株式会社

1990年にイオングループが設立し、基本理念「平和の追求・人間尊重・地域に貢献」を基に活動する公益財団法人イオン環境財団では、国内外で幅広く植樹活動を展開し、自然と人間社会の強制を目指した森林づくりを進めておられます。
また、化粧品ブランド「みんなでみらいを」を展開するフロムファーイースト株式会社では、カンボジアの荒地に木を植える「森の叡智プロジェクト」を実施し、現地の自然を生かし、生態系を守る森作りをしました。そこで作られたオーガニックコットンを使用し、化粧品だけではなくTシャツも作ることができる為、化粧品メーカーでありながらアパレル事業としての展開も広げました。

矛盾点を生まないSDGs導入で得られる展開

企業が取り組みの強化を行うことにより、コスト負担や労働の負担に影響が大きく出る可能性があるので、企業側の経営リスクを考えた時に、懸念する点は無いとは断言できません。しかしながら、日本でも大企業を始めとし多くの企業が取り組みを進め、アピールをする中、その動きと逆行する事業活動をしていると消費者にはネガティブな目で見られてしまう可能性も高まります。
SDGsに取り組むことにより、企業イメージの向上や新たな事業やサービスの展開に繋がる可能性もあり、長期的な視野での戦略として、中小企業でも取り組みを進めていくことが今後の課題の進捗に影響すると考えられます。

経営面を見ても、環境面から見てもSDGsの課題を知りイノベーションを起こすことが、私たちが暮らす日本の成長に繋がります。

SDGsウォッシュ(実態と伴わないSDGsビジネス)と言われない正しい取り組みをしていくためにも、良い導入事例を参考に、実行して意味のある取り組みかどうかを考えることが最優先といえるのではないでしょうか。

LIMEX
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