ファッションもサステナブルに!服選びのときに知っておきたいこと

ファッションはいま「サステナブル」が主流

近年、ファッション業界では、環境負荷を考慮したサステナブルな取り組みが急速に拡大しています。
その背景にあるのは、衣類の大量生産・消費・廃棄による環境負荷です。
また、製造にかかる資源やエネルギー量の増加や、ライフサイクルの短命化などが国際的に問題となっています。
そのため、衣類の生産から着用・廃棄までの流れの中で、環境負荷を考慮した取り組みが重要視されているのです。

日本は、衣類の多くを海外から輸入しているため、環境負荷が見えにくい現状があります。
また、手放した衣類がどのように活用されているか知らない人も多いのではないでしょうか。
ファッション業界が与えている環境負荷を削減するためには、現代を生きる一人ひとりが衣類の背景を知ることが大切です。

サステナブルファッションとは

サステナブルファッションとは、衣類の生産から着用・廃棄までの流れにおいて、生涯にわたって持続可能であることを目指す取り組みです。
サステナブルファッションでは、生態系を含む地球環境や関わる人々、社会に配慮した取り組みを進める必要があります。

海外ではサステナブルファッションが主流に

EUの執行機関である欧州委員会は、衣料品の持続可能性を高める方針を発表しました。2030年までにサイクル繊維の使用を義務付け、大量に売れ残った衣料品の廃棄を禁止する方向性を示しています。
また、ファストファッションの流行は、持続不可能な大量生産・消費・廃棄のサイクルを作り出す原因であると指摘しています。
サーキュラーエコノミーを推進するとともに、よりサステナブルで耐久性のあるものを生産し、修理やリサイクルしやすいものを促進するべきとしているのです。

また、衣類の合成繊維に含まれるマイクロプラスチックは、海の生き物に悪影響をおよぼすとして問題視されています。
マイクロプラスチックの詳細については、以下の記事をご覧ください。

私たちが買った服、どうやって手放してる?

着用しなくなった衣類を人々はどのように手放しているでしょうか。
ここでは着なくなった衣類をどのように処分しているか紹介していきます。

多くの服が捨てられてしまっている

現在、衣類の処分方法は以下の内容と割合で実施されています。

古着として再販売:7%
人に譲る・寄付する:3%
地域や店頭での回収:14%
資源回収:8%
可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄:68%

多くの人々が衣類を可燃ごみ・不燃ごみとして廃棄しており、その理由の多くが手間や労力がかからないからというものでした。
衣類の再利用を増やすためには、手間をかけずに再利用・資源化する流れを作る必要があるでしょう。

捨てる前に考えよう

衣類を手放す方法は主に3つあります。
1つ目は、リサイクルショップやフリマアプリを通して、別の人に譲渡・売却する方法です。
2つ目は、資源として自治体や店舗に回収してもらう方法。
3つ目は、可燃ごみや不燃ごみとして廃棄する方法です。

現状、可燃ごみ・不燃ごみとして手放される割合が最も多くなっています。
サステナブルな取り組みを推進するためには、廃棄していた衣類を再流通や回収にまわすことが必要です。

例えば、ファストファッションで多くのシェアを占めるユニクロでは、店舗で回収した服をリユースし、国連難民高等弁務官事務所や世界中の非政府組織(NGO)・非営利組織(NPO)団体とともに難民キャンプや被災地へ衣類を届る活動に取り組んでいます。

服の作り方もサステナブルに

服を生産する際も、サステナブルな取り組みが求められています。
例えば、受注生産やバーチャルサンプリング、廃棄率削減目標、シーズンレス商品の開発などです。

受注生産とは、顧客から注文を受けて製品を生産する形態のことで、製品の原価が高い製造業などで多く取り入れられている方法です。
近年、大量生産・消費・廃棄が問題視されているアパレル業界でも注目を集めています。
受注生産では、余分な在庫を持たないため無駄な生産や廃棄が行われません。
そのため、資源が保全され、環境への負担が少ないと考えられています。

バーチャルサンプリングとは、仮想のサンプル品を指します。
実物の製品が使われていたサンプル品の多くは廃棄されていたため、サステナブルな取り組みとしてバーチャルサンプルを取り入れる企業が増えているそうです。
サンプル品の廃棄が減るとともにサンプル品の輸送によって排出されるCO2の削減も期待できます。

また、企業が廃棄率の数値目標を立てることも、サステナブルな取り組みとして注目を集めています。
季節の移り変わりによって廃棄される製品を減らすために、シーズンレス商品を開発する企業も増えているそうです。

服の選び方や手放し方が地球環境の未来を変える

近年、問題視されているファッション業界の大量生産・消費・廃棄を減らすためには、企業が生産工程を見直す必要があります。
また、消費者一人ひとりが着なくなった衣類の処分方法を見直すことも大切です。

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