マイクロプラスチック問題がここまで注目される理由

近年注目されている、マイクロプラスチック問題。

私たちの暮らしに身近な変化を挙げると、レジ袋有料化・マイバッグ持参の推奨があります。

多くの環境課題を抱える世界で、いまマイクロプラスチック問題が注目されている理由を解説していきます。

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックとは、直径5mm以下のごく小さなプラスチックのことを指します。

環境中に存在しているものですが、特に海洋環境においては深刻な課題として、国際会議などでも議論されている環境課題。

そもそもプラスチック自体が人工的に生成されたものであるため、海などの自然界において容易に分解できるものではなく、ごみとして適切に処理・リサイクルされることなく自然界を長期間ただようことで徐々に劣化していき、細かく砕けてしまいます。

マイクロプラスチックは、この小さくなったプラスチックのうち直径5mm以下のものを指し、魚など海の生物が口にすることによる生態系を含む海洋環境全体への悪影響、あるいはそれを食す私たち人間への悪影響も懸念されています。

プラスチックの廃棄量

恐ろしいことに2050年にはマイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみは魚の量を上回ると予測されています(2016年1月世界経済フォーラムにて:現状のペースでプラスチックごみが増え続けた場合の試算)。

そして、さらに驚くのが、日本人1人当たりのプラスチックごみの廃棄量が、世界第2位であるということ。1人あたり年間32kgもプラスチックごみを出してしまっているのです。

さらには、国別にみた総合廃棄量も多く、日本は第5位。(2018年6月国連環境計画による報告書『シングルユースプラスチック』による)

プラスチックが環境に与える影響が少なからずある、と認識している人もおそらく少なくないでしょうが、使用量を抑えたり、適切にリサイクルできていないのが現状なのかもしれません。

プラスチックが与える、生態系への影響

マイクロプラスチックを含むプラスチックをごみとして廃棄してしまうことで、生態系にはどんな影響があるのでしょうか。

深刻な課題として認識しないといけないのが、マイクロプラスチックを口にしてしまったときの体への影響です。研究によると、魚など海の生物の体内にマイクロプラスチックが入った場合、炎症反応や摂食障害を引き起こすケースがあることが分かっています。

また、海の生物を食す人間にも当然ながら影響はあります。

体内に入ったプラスチックそのものは通常体外へと排出されていきますが、プラスチックに含まれる有害化学物質が体内に蓄積される可能性が懸念されています。有害化学物質によって、ガンや免疫力の低下を誘発する可能性があり、さらにはプラスチックに含まれる物質のなかには環境ホルモン作用があるものもあり、それが生殖能力の低下につながることも大きな懸念点として指摘されているのです。

プラスチックの排出を減らすために私たちができること

プラスチックごみの排出を減らすために、私たちには何ができるでしょうか。

身近なことをいくつか挙げてみると、

・レジ袋はマイバッグを持参する

・プラスチック包装の少ないものを購入する

・使用後のプラスチックは適切に分類し、リサイクル回収に出す

ことなどがあります。

最近では、プラスチック以外の素材を使ったパッケージなどの開発も進められており、国内外を問わず世界中で企業や個人の環境課題への取り組みが重要になっています。

まずは身近な取り組みからはじめることで、地球の未来、そして私たちの未来を守ること繋がります。

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