環境省は地球温暖化による影響を身近に感じてもらうために「COOL CHOICEウェブサイト」を公開し、その中で「2100年 未来の天気予報」を発表しています。
発表内容を見ていくと、何も対策を取らずにこのまま地球温暖化が進行した場合、地球の平均気温は「最大4.8℃上昇する」と予想されていました。
すでにその前兆が見られる地域もあり、北海道帯広市では2019年5月26日に38.8℃を記録しました。これは同地の年間気温の過去最高記録を更新する数値で、JR帯広駅前にある電光掲示板式の温度計の目盛りの最高値が一時振り切れたほどで、その場にいた市民を驚かせました。
もしこのまま温暖化が進んだ場合、日本の気温はどうなってしまうのでしょうか?
そこで今回は、100年後の天気予報から地球の未来を見ていきます。
目次
100年後の日本はどうなっている?さらに気温上昇が…
環境省が公開している「2100年未来の天気予報」の結果は、以下の通りです。
地域 | 最高気温 |
札幌 | 40.5℃ |
秋田 | 42.5℃ |
新潟 | 43.8℃ |
仙台 | 41.1℃ |
金沢 | 42.4℃ |
東京 | 43.3℃ |
名古屋 | 44.1℃ |
大阪 | 42.7℃ |
広島 | 42.3℃ |
松江 | 42.1℃ |
高知 | 42.0℃ |
福岡 | 41.9℃ |
鹿児島 | 41.0℃ |
那覇 | 38.5℃ |
ほとんどの地域で40℃を超えており、生態系への影響が心配されています。こうした状況を受けて、日本では2015年に採択された「パリ協定」に基づき、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度と比べて26%削減する方針を掲げています。
ただし、この削減目標を達成するには、家庭や業務部門で約4割ほどの大幅削減が必要となるため、脱炭素社会づくりに向けて温室効果ガスの排出量が少ない製品への買い替えやサービスの利用、ライフスタイルの切り替えなどの対策が必要となります。
地球温暖化によって変わる降雪量
地球温暖化が進行すると平均気温が上昇するため、今よりも降雪量が減ることが予想されています。同時に雪が降る期間も短くなり、今よりも雪の降り始めが遅くなり、雪の降り終わりは早まります。
地域によっては冬になっても気温が0℃以下にならず、雪がほとんど降らない可能性も指摘されています。そのため、もともと雪が少なかった地域では、年間を通して雪がまったく降らない年も出てくるかもしれません。
その一方で、雪が降る量が増える地域もあります。たとえば真冬の北海道では降雪量の増加が予想されています。
その理由として気温の上昇によって海水の温度が温められ、海からの水蒸気量が増えることで雲が発達し、雪が増えると考えられているのです。
日本以外でも、シベリアやアラスカなどの雪が多い地域では、現在よりも降雪量が増えることが予想されています。
降雪量の変化による悪影響
地球温暖化による影響は多岐に渡りますが、気温の上昇によって降雪量が変化し、以下のような悪影響が指摘されています。
防災面への影響
もともと雪が多い地域では、地球温暖化によって降雪量が増えることが予想されることから、これまで以上に「雪害」に備える必要があります。
年間の平均降雪量が減る地域でも、たとえば北陸などはドカ雪の頻度が増えることが予想されており、「そのための予算を確保できるか?」という点も問題視されています。
ドカ雪の影響で交通網が麻痺したり、雪に取り残されて救助が必要となる住民が出てきたりもします。しかし、数年に一度程度のドカ雪のために「除雪車を毎年用意しておくべきか?」は、予算が限られた地方自治体にとっては難しい選択となるでしょう。
観光産業への影響
雪が多い地域ではウィンタースポーツをはじめとする観光産業が盛んですが、地球温暖化によって降雪量が減ることが問題視されています。
特に西日本などの降雪量が多いとは言えない地域では、気温の上昇による降雪量の減少によって、冬の観光産業が大きな影響を受けることが不安視されています。
100年後の地球を守るために、いま私たちができること
地球温暖化による影響を食い止め、地球の未来を守るためには、地球温暖化やその影響に対する正しい知識を身に付けることが重要です。
多くの人々が正しい知識を身に付けることで社会が変わっていき、省エネを意識したライフスタイルへの変化や新たな技術の開発、省エネを推進するビジネスの普及などが進んでいきます。