登山マナー悪化で山が危ない!山の自然を守るためにできること

自然を満喫するはずの登山で起きている変化

2016年に制定された、「山の日」。毎年8月11日は、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝するための日として、日本国民の祝日として制定されています。
近年では、コロナ禍の影響もあってか、自然の中でレジャーを楽しむ人も増えており、登山やハイキングもその1つといえるでしょう。
登山やハイキングで自然の雄大さや癒しを感じる機会が増えること自体はとてもいいことですが、一方でマナーを知らない・考えない人が一定数いるのも事実。
知らず知らずのうちに自然環境を破壊したりすることもあれば、自分たちのことしか考えず破壊をしている人もおり、ニュースなどでもたびたび取り上げられる事態となっています。

それってマナー違反?あなたの行為が山の自然を破壊しているかも

ごみのポイ捨てなどはもちろんやってはいけないことですが、実は知らず知らずのうちにマナー違反をしていることもあるかもしれません。
ここでは、その事例をいくつかご紹介していきます。

ゴミと汚染の問題

登山客のマナーの悪さがもたらす最も深刻な問題の1つは、ゴミと汚染の増加です。登山道やキャンプ場に放置されたゴミは、自然環境に対する直接的な脅威となり、野生動物や植物にも影響を及ぼします。
ビニールなどのゴミはもちろんのこと、食べ残しなどをその場に置いて帰ることは、決して許されることではありません。「山には何も残さない」を大原則として、すべてのものを持ち帰るようにしましょう。

トレイルの損傷と生態系への影響

登山客の大勢が同じルートを辿ることにより、トレイルの損傷が進み、生態系に深刻な影響をもたらします。植生の破壊や土壌の侵食は、地域の生態系を乱し、希少な植物や動物の生息地を危険に晒します。
一方で、ルート以外の道なき道に踏み込むことは、自身にとっても非常に危険な行為であると同時に、そこに住む野生動物や自然に悪影響です。
また、登山ルートの多くは、自然とそこにあるのではなく、山を守るために清掃や舗装などの活動がなされていることを忘れてはなりません。登山愛好家の募金や地域の方の好意などで成り立っていることも多いため、山への感謝を募金などの支援でカタチにすることも重要です。

騒音と野生動物のストレス

登山客のうち、一部の人々が騒々しい行動を取ることがあります。大音量での会話や携帯音楽プレーヤーの使用は、野生動物にとってストレスや不安を引き起こす可能性があります。特に繁殖期や冬眠中の動物には、騒音が健康や生存に悪影響を与えることがあります。
登山は自然とのふれあいが醍醐味。動物たちはもちろん、ほかの登山客のためにも、自分勝手な行動や騒音は慎みましょう。

地元コミュニティとの対立

登山客のマナーの悪さが、地元のコミュニティとの対立を招くことがあります。訪れる観光客の増加による駐車場や施設の混雑、トレイルへのアクセス問題などが、地元住民との間で摩擦を生む原因となることがあります。
また、登山ルートにあるトイレは、場合によっては個人あるいは団体の方が好意で解放している場合もあります。街中と違い、水のくみ上げが難しかったり、量が限られていることもある中で、登山客のために使用を許可してくれていることについて理解し、キレイに使うことを忘れないでください。もちろん、ゴミの放置はマナー違反です。
近年ではこうしたトラブルから、トイレや休憩所の使用が制限されるなど、結果的に登山客自身が山を楽しめなくなっている事態も散見されています。

登山の目的はそれぞれですが、自然を破壊することや自分勝手に使用することが許されるものではありません。
自然の中で楽しみたいのに、自然を破壊してしまっては本末転倒。
基本的なルールやマナーはもちろん、それぞれの山で定められたことを守ってこそ、自分もほかの登山客も登山を楽しむことができるのではないでしょうか。

山を守るためのプロジェクトへ参加してみませんか

現在、多くの山は少額の入山料、あるいは無料で登ることができています。
しかし、山の保全のためには、多くの人手がいるのも事実。
各団体はこうした山の環境保護のために、募金などを募っています。最近では、インターネットでの募金やボランティア募集、クラウドファンディングなど、より手軽にこうした活動に参加できるようになりました。

山や山を保全する人たちへの感謝として、山の自然を守るためのサポートとして、こうしたプロジェクトへ参加してみるのはいかがでしょうか。

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