木材の活用は地球温暖化防止になる?「都心に森を」のすごい効果

木材の活用が地球温暖化防止に役立つと聞くと、意外に感じる方もいるのではないでしょうか。

木材は二酸化炭素を吸収して炭素を固定する力を持っており、持続可能な資源として注目されています。

都市部で木造建築の建設や緑化を進めることは、地球温暖化防止につながるとして、近年持続可能な都市環境を実現するための取り組みが広がっています。

木材の使用に、ネガティブなイメージはありませんか?

木材の使用に対して、「森が減ってしまうのではないか」、「環境破壊につながるのでは」などネガティブなイメージを抱く方も多いかもしれません。
しかし、木材は再利用や再生産が可能な貴重な資源のため、適切に使用すれば環境を守る取り組みにつながります。

例えば、木材は柱や板材としてだけでなく、木質ボードや紙、さらには燃料としても多段階で活用できます。
また、木材を適切な量だけ使用し、伐った後に新たな木を植えれば、森林は再生し続けるでしょう。
この循環をしっかりと管理できれば、木材の使用が地球環境に与える影響を最小限に抑えられるのです。
持続可能な木材利用を通じて、私たちは未来のために豊かな自然を守り続けられます。

木造建築物や木製家具は、地球に優しい

木造建築物や木製家具は、地球環境に優しい選択肢といえるでしょう。
木材は、二酸化炭素を吸収して炭素として固定する能力があり、建物や家具に使うことでその炭素が長期間にわたって貯蔵されます。
また、木造建築はエネルギー消費が少なく、地域経済の循環にも貢献します。
木材の利用は、環境保護と経済の両面で大きなメリットをもたらすと考えられるでしょう。

木材はSDGsの視点から見ても有効

SDGs(持続可能な開発目標)の視点からも、木材の利用は非常に有効です。
建築業界では、SDGsへの取り組みが広がり、木材を用いた建築が注目されています。
木造建築は、建設時における二酸化炭素排出が少なく、木材自体が炭素を固定・貯蔵する特性を持つため、気候変動対策に大きく貢献すると考えられているのです。

さらに、日本は国土の約67%が森林で覆われており、豊富な森林資源を活用することは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。
近年、多くの企業が、自社の事業用建築物を木造で計画し、経営戦略に取り入れています。
国の施策を活用しつつ、木材利用の普及を促進することは、脱炭素社会を実現するための一つの手段です。
SDGsを意識した木材利用は、環境保護と経済成長の両立を目指す上で有効的といえるでしょう。

国内外にある、大型木造建築物

現在、木造建築は、世界中で注目を集めており、国内外で多くの大型木造建築物が建設されています。
多くの木造建築物は、環境に配慮した持続可能な建築として評価されています。

国内の事例

日本国内では、有明GYM-EXや国立競技場がその代表例です。
有明GYM-EXは、東京2020オリンピック・パラリンピックで使用された競技場を転用改修したもので、木材を部分的に使用しています。
また、国立競技場は法隆寺の五重塔からインスピレーションを得たとされる木材を使用した屋根や軒庇が特徴です。
さらに、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)では、会場のシンボルとなる大屋根が木造で建設される予定で、完成すれば世界最大級の木造建築物となる見通しです。

森林大国・フィンランドでは

森林大国であるフィンランドでも、木造建築は重要な役割を果たしています。
フィンランドでは、建築に関する法律が20年以上かけて段階的に改正され、大規模木造建築物の普及を促進しています。
特に、2025年に予定されているLCA(ライフサイクルアセスメント)評価の建築規制の導入は、木材の炭素貯蔵能力を積極的に取り入れることで、木造建築の普及に大きな影響を与えるとされています。
木材は、環境に優しい特性に加え、建築時の二酸化炭素排出量を削減するメリットもあり、フィンランドでは積極的に取り組みが進められているのです。

資源の有効活用と共存が、地球の未来を良くしていく

木材の使用には、資源の有効活用と次世代への継承が求められます。
木を切ることにネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、持続可能な方法で木材を利用し、再植林を行うことで、資源は枯渇することなく利用し続けることが可能です。
また、木材の運搬や加工にかかる二酸化炭素排出量も考慮し、総合的な判断が求められます。
資源の有効活用と共存を目指すことで、地球の未来をよりよいものにしていきましょう。

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