地球温暖化が変えてしまった、北極圏・ツンドラ地帯の環境の今

地球には、永久凍土と呼ばれる、氷でできた地層が存在することをご存知でしょうか。
現在、この永久凍土であるツンドラ地帯も、地球温暖化の影響を受けています。
ツンドラ地帯の環境変化が起きると、地球や人間にも悪影響をおよぼしかねません。

ツンドラ地帯(北極圏)が担っていた役割

ツンドラ地帯は、二酸化炭素の吸収が可能な土地が広がっているため、地球環境を守る上で欠かせない存在です。
ツンドラ地帯の地面は、永久凍土により湿り気を帯びており、湿地があたり一面に広がっています。
湿地は、二酸化炭素を吸収し、炭素を貯めこむ役割を果たしています。
この働きが、地上の二酸化炭素低減に貢献しているのです。

温暖化によりツンドラ地帯で二酸化炭素の排出が起こっている

現在、地球温暖化により、炭素を貯めていたツンドラ地帯から、炭素の排出が行われています。
地球温暖化による気温上昇は、ツンドラ地帯の気温も上昇させており、これにより、凍った地層が解け、解けた地層から炭素が排出されているのです。
また、米国海洋大気庁(NOAA)の調査によると、地球温暖化による頻回な山火事により、ツンドラ地帯は貯めている炭素量よりも、排出される炭素量のほうが上回っているとの結果が報告されました。
地球温暖化は、ツンドラ地帯の炭素排出に拍車をかけているのです。

ツンドラ地帯の永久凍土が融解している要因

地球温暖化により、ツンドラ地帯の気温が過去最高気温を記録しています。
米国海洋大気庁(NOAA)の調査によると、2024年度における北極圏の気温は、9年間で過去最高気温を観測したことが判明しました。
また、アラスカの永久凍土における温度の観測結果は、過去2番目に高い温度であったことも判明しています。
地球温暖化による気温上昇の結果、永久凍土内までもが温まり、結果、永久凍土の融解へとつながってしまっているのです。

ツンドラ地帯の環境の変化は地球にどのような悪影響をおよぼす?

ツンドラ地帯の環境変化に伴い、永久凍土が解け始めています。
その影響は、ツンドラ地帯のみならず、地球全体へも変化をもたらしてしまうのです。
地球の気温上昇のみにとどまらず、感染症や、生態系の変化にも影響があると推察されています。

二酸化炭素やメタンの放出による地球温暖化の加速

永久凍土が解けると同時に、長年貯めこまれてきた炭素やメタンガスが放出されます。
それらのガスは、温室効果ガスであるため、地球温暖化を加速させる恐れがあるのです。
対策を取らなければ、さらなる地球の気温上昇や異常気象の頻発を招いてしまうでしょう。

永久凍土内のウイルスや菌の放出による感染リスク

永久凍土内にとどまっている細菌やウイルスが、今後、放出され、感染症を引き起こしかねない状況にあるといわれています。
氷には、細菌やウイルスをそのまま閉じ込めてしまう働きがあるため、ツンドラ地帯の永久凍土には、まだ知られていない細菌やウイルスが存在していることが確認されています。
この細菌やウイルスは、永久凍土が解けると放出され、やがて、動物や人間へと移り、大規模な感染症を引き起こしかねないのです。

緑化による生態系の変化

ツンドラ地帯の緑化に伴い、それまでツンドラ地帯で生息していた生態系が減少しかねません。
ツンドラ地帯の気温が上昇すると、植物が大きく育ったり、湿地や海水が消失・減少したりします。
その結果、それまで生息していた生態系がいなくなったり、十分な餌や産卵場所を得られず、個体数の減少へつながるのです。
北極圏では、ホッキョクグマの個体数減少が問題となっており、ほかの生態系にも影響がないとは言い切れません。

自然火災の増加

地球の気温上昇は、ツンドラ地帯の気温上昇のみならず、空気の乾燥も誘発させます。
また、異常気象により、落雷の回数も増加します。
これらの要因が重なることにより、ツンドラ地帯の火災回数が増加しかねません。
火災の増加は、大気中や、永久凍土が放出する炭素量も増加させ、地球温暖化促進へとつながってしまうのです。

ツンドラ地帯の環境変化から地球温暖化対策の重要性を知ろう

ツンドラ地帯の環境変化は、将来的に、私たちの生活にも大きな影響をおよぼします。
そのような影響への対応策は、日ごろからの地球温暖化対策が重要です。
私たちの未来と、ツンドラ地帯の環境を守るために、地球温暖化対策を共に考えていきましょう。

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