環境を守るための活動のはずが、環境に悪影響を及ぼしている?!

環境を守るため、少しでも環境によいといわれるものやサービスを取り入れようと考えている方は多いでしょう。

消費者の意識の高まりに応えるため、企業も新しい技術の研究・開発を進めています。

一方で、多くの物事にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

環境を守るための行動のはずが、かえって悪影響を与えてしまうこともあるため、選択する前にデメリットも確認することが大切です。

環境を守るとされている活動のメリット・デメリット

地球環境のさまざまな問題を解決するため、日々新しい技術の開発や研究が進められています。
たとえば、電気自動車や太陽光発電は、いずれも環境を守るとされている新しい技術です。
しかし、それぞれの技術にはメリットだけでなく、デメリットもあることに注意しましょう。

電気自動車の環境への影響

電気自動車とは、エンジンの代わりに電動モーターを使用する自動車のことです。
化石燃料であるガソリンを使う代わりに、充電式のバッテリーを使用するため、二酸化炭素の排出量を抑えられることが特徴です。

メリット

環境への影響を考えると、電気自動車の最大のメリットは排気ガスを出さないことです。
ガソリン車は、エンジンを燃やす際に地球温暖化を促進する二酸化炭素や、窒素酸化物を排出します。
これらの有害物質は、大気汚染の原因にもなります。

一方で、電気をエネルギー源とする電気自動車は、ガソリンを使用しないため、有害物質を発生させません。
そのため、地球温暖化だけでなく、大気汚染の防止にも有効です。
自動車に乗る機会が多いほど、また同じ車を長く使えば使うほど、電気自動車の環境へのメリットは大きくなります。

デメリット

電気自動車のデメリットとして挙げられるのは、充電や製造過程で必要な電気を作る際に二酸化炭素を排出することです。
火力発電所では、化石燃料を燃やすことで電気を生み出しているため、二酸化炭素が発生します。
ただし、高性能のフィルターによって排出を防いでいるため、ガソリン車の排気ガスに比べると環境への影響は小さいといわれています。

また、電気自動車のバッテリーに使われるさまざまなレアメタルは、採掘や廃棄の過程で土壌汚染の危険性があることもデメリットです。
適切に処分されなければ、土壌や地下水の汚染につながる可能性があります。

太陽光発電の環境への影響

自然のエネルギーを利用する太陽光発電は、再生可能エネルギーの代表格です。
電力の固定買取制度が導入されたことで、日本でも急速に普及しました。
しかし、太陽光発電にもメリット・デメリットの両方が存在します。

メリット

太陽光発電のメリットは、火力発電などの発電方式に比べて、二酸化炭素の排出量が抑えられることです。
パリ協定に代表される国際間の取り決めにより、地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出量を削減することが各国の義務となっています。

太陽光発電は、日光が当たれば地球上のどの地域でも継続して発電が可能です。
水力発電や風力発電など、他の再生可能エネルギーの多くは、設置できる場所に制約があります。
原子力発電のように放射能や廃炉の問題もありません。
正しく設置・運用すれば環境や健康への影響もほとんどないため、クリーンエネルギーとして注目されています。

デメリット

太陽光発電が環境に与えるデメリットは、主に無理な太陽光パネルの設置によるものです。
たとえば、メガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電システムの設置のために、森林伐採を行えば地球環境の破壊につながります。
また、安全性の低い場所や森林伐採によって土壌が弱った場所では、太陽光パネルの設置によって土砂崩れや地すべりなどの災害が起こることもあります。

30年以上の寿命があるといわれている太陽光パネルですが、廃棄方法にも注意が必要です。
鉛やカドミウムのような有害物質を含むため、適切に処分しなければ土壌や水質を汚染するおそれがあります。

メリットだけではない現実を知り、私たちにできることを選択しよう

環境問題に対する関心の高まりを背景に、環境へのメリットをアピールするさまざまな技術が誕生しています。
しかし、実は新しい技術がかならずしも「よりよい」とは限りません。
環境を守るための活動のはずが、逆に悪影響を与えてしまうおそれもあります。
新しい技術を取り入れる際にはメリットだけでなく、デメリットも知ったうえで、地球の未来を考えた選択をしましょう。

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