「地球の肺」アマゾンにいまどんな変化が起こっているのか

地球環境を語る上で欠かせないアマゾンが、現在、危機的状況に陥っていることをご存知でしょうか。
アマゾンの自然がなくなれば、私たちの生活にも危機が訪れる可能性が高いのです。
アマゾンで起きている危機を知り、私たちにできることを共に考えてみませんか。

アマゾンが地球の肺と呼ばれている理由

アマゾンでは、地球上における酸素の2割程度を供給しています。
森林は、地球上に排出された二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する光合成の役割を担っています。
特に、熱帯雨林で行われる光合成は地球への貢献度が高く、陸地における光合成の大部分が南米にあるアマゾンで行われているのです。
光合成の仕組みが人間の呼吸に似ていることから、アマゾンは「地球の肺」と呼ばれています。

アマゾンの環境破壊が進んでいる

大規模な開発や農地の整備により、アマゾンの自然が失われています。
すでに約15％の面積が消失しており、2018年には約8000㎢、2019年では約1万㎢もの面積が1年間で消失しており、その深刻さがうかがえるでしょう。
2023年には消失面積が約5000㎢まで減少したものの、完全な減少には至っていません。

道路建設から始まった森林破壊

アマゾンの自然破壊は、大規模な道路建設が第一の要因です。
1960年ごろよりアマゾンの開発が進められ、その始まりとして道路の建設が行われました。
建設ののち、今度はアマゾンの木々を切り倒し、価値のない木は火をつけられ、その跡地を農場や牧場地として利用してきたのです。

大豆生産の拡大による環境破壊

大豆の大量生産により、農地が拡大されたこともアマゾンの自然破壊に影響をおよぼしています。
大豆は飼料としての需要もあり、農地の拡大へとつながりました。
さらには、金や銅などの資源採掘や水力発電の開発も行われており、法で定められた森林保全の範囲は守られていません。
また、違法業者による資源の採掘や伐採により、森林の消失だけでなく、川の汚染も問題視されています。

アマゾンに起こる変化が環境や生態系に与える影響

アマゾンの自然が破壊され続けることで、自然環境のみならず、経済状況にも影響をおよぼす可能性があります。
アマゾンはその広大な土地で、地球環境の保全と、私たちの生活をも守ってくれているのです。

生態系の崩壊と生物多様性の危機

アマゾンには地球に生息する生態系の約1割が生存しているとされていますが、自然破壊により、生態系の崩壊や動植物の絶滅が危惧されている状況です。
アマゾンの自然が崩れることで、アマゾンの気候でしか生きられない生物の死が起こります。
さらには、死滅した種によって生かされていた生物も死滅する可能性があり、生態系の崩壊が起きてしまうのです。

地球規模で進む気候変動への影響

アマゾンは二酸化炭素と酸素の吸収・排出において重要な役割を果たしているため、熱帯雨林が破壊され続けることで気候変動が起こりやすい状態を招いてしまうでしょう。
二酸化炭素と酸素のバランスが崩れると、気温の上昇が起こります。
気温の上昇により、洪水や干ばつ、豪雨などの気候変動が起こりやすい状態へと陥ってしまうのです。

先住民族の暮らしと文化の危機

アマゾンでの自然破壊は、先住民族の命をおびやかすことにもつながります。
アマゾンの自然が破壊されると、干ばつにより川の水が干上がったり、住環境の変化により住めなくなったりなどの問題が起こります。
このような問題が起こることで、先住民の住む場所が限られたり、食料となる生物が捕れなくなったりなど、先住民族の生命にかかわる問題へとつながってしまうのです。

水資源の枯渇と環境への影響

森林破壊により、水をめぐる問題が起きています。
アマゾンの森林が破壊され、農地や道路にされたことで、水を貯えるはずの木々がなくなり、降雨量の減少へとつながっています。
降雨量が減少することで川の水も減少し、水不足や水の循環がうまくいかないことによる水質悪化など、アマゾンのみならず、世界中にかかわる問題を引き起こす可能性があるのです。

経済と産業への悪影響

アマゾンでの自然破壊は、経済や産業にも影響を与えます。
自然破壊による降雨量の減少により、農業で使用する水が不足し、農業の維持が不可能になる可能性があります。
さらに、アマゾンの川が干上がることで、川の観光で生活していた人々が生活を維持できなくなる可能性もあるのです。

アマゾンの未来と私たちの生活を守るために

アマゾンの自然を守ることは、地球と私たち人間の明るい未来へとつながります。
遠い国の出来事と捉えるのではなく、私たちにできる環境保全を行い、アマゾンと地球の環境を守っていきましょう。