大量に廃棄される食品や、世界の途上国で問題となっている児童労働。
一見すると関係のなさそうなこれらの問題ですが、地球上に存在する私たち含めた生物および、地球そのものが持続的に発展し続けるためには、どちらも解決しなければならない問題だといえます。
エシカルとは、日本語に直訳すると「倫理的な・道徳的な」といった意味があります。
この記事では、新しい消費の概念である「エシカル消費」の実践例から、SDGsとの関わりについてご紹介します。
目次
エシカル消費とは
今ではお金さえあれば大半のモノは手に入る時代になりました。近くのコンビニエンスストアでは朝でも深夜でも食べ物が手に入りますし、ファストファッションブランドでは季節に関わらずいつでも服が大量に安く販売されています。
しかし、その背景には生物の乱獲や大量に廃棄処分される食品、そして劣悪な環境で働く労働者が存在します。
皆さんが口にする、チョコレートやコーヒーの原料であるカカオやコーヒー豆といった農作物は、特に児童労働が多い産業だといわれています。
エシカル消費とは、自身の欲求のまま消費を行うのではなく、サービスや商品の製造過程にある背景に配慮し、消費する概念だといえます。
エシカル消費とSDGsとの関係
このエシカル消費は、2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)とも深い関わりがあります。
例えば、ゴール12である「つくる責任・つかう責任」を果たすことは、先述の児童労働問題の解決へと貢献しますし、ゴール14「海の豊かさを守ろう」、ゴール15「陸の豊かさも守ろう」の達成は、食品ロスの削減および森林資源、自然生物の保全へと繋がっており、ともに相互関連の関係を形成しています。
消費は生活の一部であり、私たちの日常生活においてもっとも身近な行動のひとつであるため、積極的な取り組みが望まれます。
そのために、まずは「人権・社会・環境」において正しい選択が何であるかを知ることが、問題解決に向けた第一歩となるでしょう。
エシカル消費の実践例
一括りにエシカル消費といっても、その内容は多岐にわたります。ここではエシカル消費に繋がる対象を大きく3つに分けて説明します。
1. 環境への配慮
環境の保全、そして地球温暖化の抑制のため、電子や別素材で対応できるものは可能な限りペーパーレス化し、地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出量やプラスチックごみを削減するため、石油由来のエネルギーやプラスチックの利用を控えるなどがあります。
再生利用が可能な素材の選択や、食品の購入は必要な分だけとすることも、エシカル消費だといえるでしょう。
2. 社会への配慮
売上金の一部が環境保全や途上国への寄付となるような商品を購入することは、間接的な支援となります。
また、商品の生産国が途上国である場合、生産者に正当な対価が支払われていないケースがあります。そのような問題を解決するため、国際フェアトレード基準が制定されました。
フェアトレードとは「公正な取引」という意味があり、国際フェアトレード基準に認証された商品を選ぶことは、現地の生産者への支援へ繋がります、
3.地域への配慮
現在、大型スーパーやショッピングモールなどが次々とオープンし、その地域に根付いた個人商店などは徐々に減少しています。
地域に根付いた精肉店や商店で地元の生産物を購入することを「地産地消」といい、地産地消を行うことは、地域経済の活性化へと繋がります。
その消費は「エシカル消費」?見分け方を知って行動を起こそう
エシカル消費かどうかを見分ける一つの方法として、環境ラベルの確認があります。環境および脱炭素、社会に配慮した商品には、「エコマーク」や「カーボン・オフセット認証ラベル」、「国際フェアトレード認証ラベル」といったラベルを確認することができます。
環境ラベルの中には第三者機関認証のラベルと企業等が独自で発行しているブランディング用のラベルがありますが、上述した環境ラベルについては、全て第三者機関による監査が行われ認証されたラベルです。
確実なエシカル消費をしたい場合は、環境ラベルの発行元を確認してみるのもよいでしょう。
エシカルな消費はあなたの身近なところから始めることができます。
小さな行動ひとつでも、それは問題解決への大きな第一歩となるでしょう。