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地球環境の変化で絶滅する動物たち
「絶滅動物」と聞くと、氷河期に絶滅してしまった恐竜を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、現代においても「人間が原因で絶滅の危機に瀕している動物」が多数存在しています。
そこで今回は、「21世紀に入って絶滅、もしくは絶滅が危惧されている動物」を紹介します。
21世紀にはいってから絶滅してしまった動物たち
まず、21世紀に入って絶滅してしまった動物を見ていきます。
カリブモンクアザラシ
カリブモンクアザラシは、食肉目アザラシ科に属するアザラシです。
丸い頭と細い毛が特徴的で、体長は約2メートル以上、体重は160kgにも及び、カリブ海を中心に生息していました。
ところが脂肪から取れる油が、ランプの灯や機械を動かす原料として利用できることが判明すると乱獲が多発し、漁業を行う漁師からの駆除も重なって1952年以降は姿を確認できなくなってしまいました。
1967年には絶滅危惧種保護法によって、絶滅危惧種に認定されたものの、数回に渡る捜索でも姿が確認できず、保護には至りませんでした。
そして2008年、ついにアメリカ海洋大気庁から正式な絶滅宣言が出されることになりました。カリブモンクアザラシは「人為的な原因で絶滅に至った唯一のアザラシ」と呼ばれています。
メキシコハジシロキツツキ
メキシコハジシロキツツキは、通称「テイオウキツツキ」と呼ばれ、メキシコの西部にあるシエラ・マドレ山脈一帯に生息していた鳥類です。
全長は約60cmにも及ぶキツツキの一種で、大型な体格に白と黒の体毛、赤い羽根が生えた頭部が特徴的です。
ところが、繁殖に必要な森林が伐採によって減少した影響で、1950年頃から数が激減し、1996年頃を境に目撃報告がなくなってしまいます。 その後、国際的な鳥類保護団体の「バードライフ・インターナショナル」によって、2003年に絶滅と認定されました。
絶滅が危惧されている動物たち
つづいて現在、絶滅が危惧されている動物を見ていきます。
キタシロサイ
キタシロサイは、アフリカのコンゴ共和国やチャドに生息するシロサイの一種です。サイ科の中で最大種であり、頭から生えた2本の角が特徴です。
しかし、「サイの角は万病に効く薬になる」という噂が広まったことで、1970年頃から密猟が多発し、キタシロサイの生息数は激減してしまいます。
1990年初頭には1,000頭を切り、1990年後半には国内の内乱の影響もあって、完全に姿を消すことになります。
2008年には野生種の絶滅が発表され、ケニアの保護区で飼育されていたキタシロサイの最後のオスも2018年に息を引き取ったため、残るはメス2頭となり、繁殖は不可能となっています。
シャンハイハナスッポン
シャンハイハナスッポンは、中国の上海からベトナムのハノイに渡るホアン・キエム湖に生息していたカメの一種です。
カニやカタツムリを食べていたと言われていますが、本格的な調査が始まるよりも前に絶滅してしまったため、詳しいことはわかっていません。
1950年代に発生した水質汚染や河川の改修による生育環境の悪化、食糧難による乱獲によって野生のシャンハイハナスッポンは絶滅に至りました。
その後、動物園で飼育された個体も2019年にメスが死亡し、オスの2頭が残るのみとなったため、繁殖は事実上不可能となっており、絶滅までのカウントダウンを迎えつつあります。
ほかにもたくさん…残念ながら絶滅の危機にある動物はいる
今回は4種類に絞って紹介しましたが、絶滅もしくは絶滅が危惧されている動物はもちろんこれだけではありません。
科学技術の進化により、人工的な繁殖が可能なケースもありますが、多くの場合で生物は一度絶滅すると再び生き返ることはありません。 地球上に生きている生物を絶滅させないために、一人一人が環境に配慮した生き方を心掛ける必要があります。