食糧自給率が低い日本…輸入に頼るのは地球にも優しくない選択

日本は食料自給率が低く、食卓に並ぶ多くの食料を輸入に頼っています。
輸入に頼っている状況は、社会情勢の影響を受けやすいだけではなく、地球にも優しくない選択だと知ることが大切です。

知っていますか?日本の食糧自給率

皆さんは、日本の食料自給率がどのくらいか知っていますか。
食料自給率とは、国内消費に対する国内生産の割合です。
つまり、日本国内で私たちが消費した食料の中に、国産のものがどれくらい含まれているかを表しています。
現在、日本の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースで63%です。
2012年、国連食糧農業機関(FAO)が公表している各国のカロリーベースの食料自給率は、以下の通りです。
・スイス:50%
・ノルウェー:43%
・韓国:35%
・台湾:32%

生産額ベースで公表している国もあります。
・台湾:65%
・イギリス:61%

食料自給率が100%以上の国もあります。
国内生産を国内消費で割り算したものが食用自給率であるため、国内消費量を上回る国内生産がある場合には、100%を超えるのです。
国内消費量を上回った分は、海外に輸出されていると考えられます。
例えば、農林水産省が試算したカロリーベースの食料自給率では、カナダが233%、オーストラリアが169%、アメリカが121%、フランスが131%と、100%を上回っています
これらの国は農産物の主要輸出国です。

食糧自給率が低いリスク

食料自給率が低いとさまざまなリスクが発生します。
食料を海外からの輸入に頼っていると、輸出国でトラブルがあった際に、輸入量や価格に大きな影響が出ます。
価格の高騰や輸入量の不足だけではなく環境面での負担が大きいことにも注目しましょう。

輸入価格の変動

食料自給率が低いと、輸入価格の変動の影響を大きく受けます。
例えば、地球温暖化による気候変動により異常気象が発生し、世界各国で食料生産量が減ってしまったとき、農産物の輸出国が自国で消費する分に食料を回せば、輸出される量が減り、輸入価格は高騰するでしょう。
また、政治問題や紛争などにより国際情勢が乱れ、食料の輸入が難しくなることもあるでしょう。
日本は、食料の半分以上を輸入に頼っているため、食料を安定的に確保するのが難しくなる可能性があります。

実は、環境にも負担が大きい

食料自給率が低い日本は、多くの食料を海外からの輸入に頼っています。
海外から食料を輸入すると、輸送距離が長いため、必要なエネルギー量も増えてしまいます。
食料自給率が低いことは、環境にも大きな負担をかけていることがわかるでしょう。
食料輸送による環境への影響を示す指標として、フードマイレージがあります。
フードマイレージは簡単にいうと、食料が生産地から食卓に届くまでの距離を指しており、距離が短いほど環境負荷が少ないと考えられています。

計算式は以下の通りです。
食料の重量×輸送距離
食料自給率が低い日本は、海外から多くを輸入しているため、輸送距離が長くなります。
そのため、フードマイレージの数値も高くなり、結果的に環境負荷も大きいことを示しています。

身近にあるものを美味しく食べよう

身近にあるものを美味しく食べる意識は、地球環境への負荷を減らすことにもつながります。
食料自給率と環境負荷の関係を知り、私たちができる取り組みを進めていきましょう。

地産地消という考え方

食料自給率を上げ環境への負荷を減らすためには、私たち一人ひとりが地産地消という考え方を持つことが大切です。
地産地消とは、地元で作り収穫したものを、地元で消費する仕組みを指します。
地産地消では、収穫したばかりの新鮮な食材を食べられるため、美味しさの面でもメリットがあります。
また、生産者から消費者に届くまでの輸送距離が短くなるため、フードマイレージの減少にもつながるでしょう。
輸送にかかるエネルギー量が削減され、二酸化炭素の排出量も少なくなると考えられます。地産地消は、結果的に環境への負担を軽減する役割も持っています。

身近な食を見つめなおすことは地球環境にも優しいかもしれない

日本は、円安による物価高の影響や環境負荷などにも目を向け、食料自給率を上げるための取り組みを行っていく必要があります。
私たち一人ひとりができることは、地産地消を心がけることです。
地元で取れた食料を地元で消費すれば、輸送距離が短くなり、フードマイレージを削減できます。
私たち自身の食を見つめなおし、地球環境に優しい取り組みを意識しましょう。

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