食品製造に必要な「水」。こんなに必要って知っていましたか?

「水」は限りある資源

日本に住む私たちは普段当たり前のように水を使っていますが、水は限りある地球資源の1つ。

地球は、地表の70%が海に覆われた惑星です。しかし、そのうちの約97.5%は海水であり、淡水の割合は2.5%に過ぎません。

さらに淡水のうち、約70%が氷河の中にあるため、人間が飲料水として使用できる水は非常に限られています。

もし仮に現在のペースのまま水の消費を続ければ、今後15年間のうちに「地球上で必要な真水が40%も不足する」と指摘されています。

こんなに…?!知らなかった「食品製造に必要な水」の量

現在、地球上に存在する真水のうち、「約70%」が食品生産に使用されています。

たとえば、小さなチョコバーを作るには「21リットル」もの水が必要です。

その他、若い世代を中心に人気のハンバーガーは、3,000リットルもの水が必要になります。これは材料となるパンや牛肉、トマトやレタスなどを生産するために必要な水分の合計値です。

一般家庭の浴槽で使用する水の量は、200~300リットルと言われているため、ハンバーガー1個を生産するためにはお風呂に換算して15杯分に相当します。

さらに、アーモンドを製造するには1㎏当たり3,448リットル、ポン菓子を材料にした食用シリアルで1kg当たり1,464リットルもの水が必要となります。

水資源が豊富な日本において重要視されることはありませんが、飲料水などに使える真水が少ない国や地域では、食品生産に必要な水の量が重要視されています。

事実、国連の食糧農業機関は「2025年までに世界の総人口の3分の2が水不足になる」という予想を発表しています。

水不足がもたらす多くの問題

日本に住んでいれば、蛇口を捻るだけで飲料可能な真水が出てきます。

しかし、ユニセフの発表によると「2017年時点で、世界22億人が安全な飲み水にアクセスできていない」とされています。

安全な水が足りない発展途上国

特に発展途上国では、水道や下水などのインフラ設備が不完全であるため、市民は真水を確保するために遠く離れた場所まで水を汲みに行く必要があります。

そうした状況下では、安全な真水を安価に手に入れることは非常に困難であり、やむを得ず不衛生な水を飲料水として使用するケースも多数見られます。しかし、こうした不衛生な水の摂取によって「毎日約2.5万人が死亡している」とも言われています。

こうした水不足の問題は一つの国の中で起こっている問題ではなく、国境を接した複数の国家間での問題へと発展するケースもあります。

水=資源をめぐる紛争も起こりうる現状

他国と陸地で繋がっていない日本ではイメージしづらいですが、安全な水の確保に悩む地域では、その水の所有権を巡って紛争に発展するきっかけとなります。

たとえば、湖の貯水や河川の上流で水資源を過剰に搾取したり、水質を汚染させたりすると、下流地域との紛争が起こり、水資源の奪取を目的とした軍事的な攻撃を受けることもあります。

世界の人口は今後も増え続けることが予想されており、2015年時点での世界の総人口は約73億5,300万人でしたが、2050年には約97億3,000万人になるという統計があることから、今後水不足の問題はさらに深刻になっていくと考えられています。

アメリカでは農業用水不足が深刻化

こうした飲料水目的の他にも、農業目的においても水不足が深刻化しています。

アメリカでは、農業地帯に使用される水の大半を地下水で賄っています。しかし、世界の人口増加に伴って需要が増加したことから農地を急拡大したため、帯水層に蓄えられていた水を大量に消費してしまい、内部で著しい水位低下が起こっています。

その結果、国土の砂漠化が進行したり、井戸が枯れるなどの水問題が起こっており、責任を問われた農家は農地を放棄しなくてはならない状況に追い込まれる事態に発展しています。

遠い国の問題ではない!水不足の課題

日本において水不足の問題はあまり実感がなく、遠い国の出来事のように思ってしまいますが、自然にある資源は循環しているということを忘れてはいけません。

私たちが手にするもの口にするものは、どこから来ているでしょうか?輸入の多い日本では、世界の国々で作られたものを食べたり身につけたりしています。

水不足は遠い海の向こうの国の問題ではありません。

私たちにできる身近な環境課題への取り組みが、世界の課題解決へと繋がることがあることを忘れないでください。

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