目次
生ごみの処分方法、どうしていますか?
日々の暮らしで出る、生ごみ。
野菜の皮や、肉のスジ、魚の骨、残飯など…調理や食事のたびに、おそらくほぼ確実に生ごみは出ているのではないでしょうか。
生ごみは、燃えるゴミとして処分している人がほとんどだと思います。ビニール袋やネットにまとめたり、新聞紙にくるんだり…そんな当たり前のように捨てている生ごみですが、実は地球環境に負担がかかっていることを知っていましたか?
生ごみを燃やす焼却炉…実は大きな課題があるのです
少し想像してみてください。
生ごみは、ほかのごみと比べて、水分を多く含んでいますよね。
野菜くずなどに含まれる水分は非常に多いことはだれでも容易に想像することができます。
そんな生ごみを燃やす焼却炉には、実は大きな負担がかかっていたのです。
焼却炉は一般的に可燃性の廃棄物を燃やすための施設ですが、生ごみは水分が多く含まれているため、燃焼によって発生する水蒸気や有害なガスの排出が増加する可能性があります。これによって焼却炉の性能や効率に影響を及ぼし、運転や排出管理において負担をかけることがあります。
また、焼却処理は二酸化炭素(CO2)やその他の温室効果ガスの排出源ともなります。生ごみは有機物であるため、焼却によって有機炭素が酸素と反応しCO2が発生します。このため、生ごみの焼却は気候変動に対する負荷となります。
生ごみを燃やすのは「水を燃やす」ようなもの
日本には1000基以上のごみ焼却炉があり、その性能も海外と比べて高いといわれています。
国土の狭い日本では、ごみを埋め立てるような場所も少なく、「ごみを燃やそう」と政府も後押ししたことで、現在のような環境が整ったとされています。
生ごみは、可燃物の中の50%ほどを占める場合もあり、水分量やにおいが大きな課題となっています。
生ごみに含まれる水分量は高く、これらを燃やしてしまうには、より多くのエネルギーが必要となります。
環境負荷が大きいことはもちろん、エネルギーの高騰が続く昨今、「このままではいけない」と国内外で新たな動きが始まっているのです。
生ごみは「ごみ」ではなく「資源」である
これまで当たり前のように捨てていた、生ごみ。
ですが、少し時代をさかのぼると、裏庭に埋めたり、畑の肥料にしたり、といった光景もごく当たり前でした。つまり、私たちが「ごみ」として扱っているものは「資源」としてリサイクルが可能なものなのです。
最近では、環境保護の視点から、生ごみについて見なおそうとするこうした考え方が広まりつつあります。
生ごみが生まれ変わる、「コンポスト」
コンポストを知っていますか?
コンポストは、「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のこと。生ごみや落ち葉などの有機物を、微生物によって発行・分解させるものです。
ガーデニングや家庭菜園にも活用できる、豊富な栄養素を含んだ肥料となります。
コンポスト容器の作り方
コンポスト容器は、大がかりなものでなくても、自宅の裏庭やベランダで手軽に管理することができます。ここではその一例を紹介しましょう。
プラスチックバケツを使用する方法
必要なもの:
大きなプラスチックバケツ(容量は好みに応じて)、ドリル、釘やナイフ、通気孔を作るための道具
手順:
① プラスチックバケツの底部に釘やナイフを使って小さな穴をあけ、通気性を確保します。
② バケツの側面にドリルを使用して、通気孔を均等に開けます。
③ バケツの上部を開け、生ごみを投入するための口を作ります。
④コンポスト容器を適切な場所に置き、生ごみを投入して堆肥化を開始します。
木製のフレームを使用する方法
必要なもの:
木材(パレットなど)、釘やネジ、ハンマーやドリル、ワイヤーメッシュなどの通気性のある素材
手順:
① 木材を使用して四角いフレームを作ります。高さや大きさは好みに応じて調整してください。
② フレームの側面に通気性のある素材(ワイヤーメッシュなど)を取り付けます。これによって空気の循環が確保されます。
③ フレームの上部を開け、生ごみを投入するための口を作ります。
④ コンポスト容器を適切な場所に設置し、生ごみを投入して堆肥化を開始します。
最近では、バッグ型のコンポスト容器なども市販されており、より手軽に処理できるようになっています。いずれの場合も、生ごみ投入後はしっかりと中身をかき混ぜ、通気性や適度な湿度を維持することが重要です。
コンポストにはメリットがたくさん!できることから環境を守ろう
日本の生ごみ事情は、便利で性能が高いがゆえに環境負荷の大きい結果になっているのかもしれません。
実際に、地球環境へのメリットも大きいことはもちろんですが、生ごみ処理に使うビニール袋(ゴミ袋)を削減できる、ごみ処理の負担を減らすことができる、など自分自身にとってもメリットがたくさんあります。
さらに、いまはまだごみ処理の金銭的負担も少ないかもしれませんが、ごみ処理場にかかっている負担も大きく、今後、費用の見直しがされる可能性もゼロではありません。
難しい環境保護活動はできないかもしれませんが、こうした身近なものを少し見直すことで、少しずつ地球の未来をよくしていけると思うと、楽しく取り組めますね。