地球温暖化は、世界中で問題視されており、現在日本の食卓にも影響をおよぼしています。
地球温暖化という大きな問題は、地球で生きる一人ひとりの行動が関係していると自覚することが大切。
この記事ではこれまで身近にあった「オレンジジュース」の現状にフォーカスしてみました。
目次
オレンジジュースの値上がりが家庭を直撃
朝食の定番としても親しまれているオレンジジュースが近年手に入りにくくなっています。
物流費の高騰も相まってオレンジジュースの値上げが相次いでいます。
オレンジ果汁が調達できない!
日本でオレンジジュースが手に入りにくくなっている原因には、オレンジ果汁不足と円安が関係しています。
日本は、輸入しているオレンジ果汁全体のうち、約6割をブラジルに依存しています。
しかし、近年ブラジルで発生した天候不順により、オレンジ果汁の輸入量が減少しているのです。
2018年には約7.9万キロリットル輸入していましたが、2021年には約3.4万キロリットル2022年には約4.4万キロリットルと、過去と比較すると減少しています。
オレンジ果汁の産地であるブラジルでは、2023年の初めに洪水が発生し病害も蔓延しました。
また、アメリカの産地でも大型ハリケーンが発生し生産が激減しています。
各国の生産量が減少したことでオレンジ果汁は、世界中で争奪戦となっているのです。
そのため、取引価格が高騰し、さらに追い打ちをかけるように円安が起こりました。
過去5年のオレンジ果汁の平均輸入単価は、1Lあたり292円ですが、2023年1月から9月の平均輸入単価は、462円と倍近く値上がりしています。
国産オレンジ・柑橘類で賄えないのか?
オレンジ果汁の輸入状況が厳しくなる中、注目されているのが愛知県産をはじめとした国産の柑橘類の果汁です。
しかし、国産のオレンジや柑橘類だけでは、これまで輸入していた分のオレンジ果汁を賄うのは難しいと考えられています。
柑橘類の木が成長して収穫できるようになるまでは、3年ほどかかるといわれており、今すぐに生産量を増やせないのが現状です。
また、ジュースには規格外の果実が用いられるため、生食用の1/10ほどの価格にしかなりません。
愛媛県の柑橘は、生で食べることを目的に生産されているため、ジュースとして利用できる果実は少ないといえるでしょう。
インフレだけではなく、環境・天候による不作がダメージに
オレンジ果汁不足はインフレだけではなく、環境や天候による不作の影響も受けていると考えられています。
ブラジルの大規模を襲った洪水
オレンジ果汁の不足は、ブラジルを襲った大規模な洪水が原因の一つといわれていますが、この洪水は、地球温暖化の影響により引き起こされたと考えられています。近年、このような大規模災害が世界のいたるところで頻発しており、ブラジルもその例外ではありません。
雨とは、雲の中の水滴が大きくなって落ちてきたものです。
雲は、空気中の水分が空に上昇し、集まってできたものであり、水蒸気が多いほど雲は大きくなりやすく、雨もたくさん降るようになります。
地球温暖化により気温が上昇すると水蒸気が増えるため、雨も降りやすくなると考えられるでしょう。
気温が1度上昇すると、水蒸気は7%から10%増加するといわれています。
地球温暖化により水蒸気が増えると雨が降りやすくなり、洪水が引き起こされやすくなるといえるでしょう。
フロリダを襲ったハリケーン
近年、ハリケーンの巨大化による被害が深刻化しています。
ハリケーンの猛威は、オレンジの産地であるフロリダにも影響をおよぼしています。
地球温暖化は、この強大なハリケーンをより強く大きくする原因の一つです。
地球温暖化により海水温の上昇が進行した影響で、1981年には約60mだった大型ハリケーンの平均風速が、2007年には約70mまでに発達しています。
特にハリケーンの強大化は、北大西洋で顕著に現れています。
そのため、近年アメリカ東海岸やメキシコ湾、カリブ海などを襲うハリケンが次々に誕生しているのです。
地球温暖化で食卓の「当たり前」がかわるかもしれない
現在、日本では朝の食卓の定番として親しまれていたオレンジジュースがなくなろうとしています。
日本の食料自給率は、1965年には70%以上ありましたが、最近では38%まで落ち込んでいます。
このまま地球温暖化が進行し、輸入状況が変化していけば、日本の食卓の当たり前がかわってしまうかもしれません。
地球温暖化には、世界中で暮らす人々の活動が大きく影響を与えています。
そのため、この地球で暮らす一人ひとりが地球温暖化を身近な問題として考え行動を起こす必要があるでしょう。