自然豊かな国・フィンランドが取り組む、環境課題との向き合い方

北欧、フィンランド。

「世界で一番幸せな国」とも称されるこの国は、環境課題への取り組みも非常に積極的に行われています。 この記事では、SDGs達成率1位であるフィンランドの環境課題への取り組み事例や、日本との違いに焦点を当ててご紹介していきます。

国土の70%以上が森!フィンランドは自然を大切にする国

フィンランドは自然豊かな北欧の国です。

最近では「フィンランド式サウナ」も日本では有名で、自然と共存しながら心豊かに暮らしているイメージを持っている人も少なくないでしょう。

フィンランドは国土の70%以上が森で、人々は自然に囲まれて暮らしています。

フィンランドはその豊かな自然を大切にし、共存することを、子どものころから学んでいます。教育現場では自然に触れ合うことや節電に取り組む実習授業などが行われ、自然の偉大さや重要性を学んでいるのです。

また、市民や企業も環境課題への取り組みを積極的に行っています。

リサイクル率などの目標を掲げ、ディスカッションを行うことで、意見交換・情報交換をしながら課題解決への取り組みを促進することができているのです。

実はフィンランドは、SDGsの達成率が1位の国でもあります。

マイボトルの持参が浸透していたり、地産地消を推進する取り組みがあったりするなど、企業や組織だけではなく、一人ひとりが当事者意識をもって積極的に取り組んでいることが、このような結果につながったともいえるでしょう。

フィンランドの環境課題への取り組み事例

持続可能なエネルギー政策

フィンランドは再生可能エネルギーの利用を積極的に推進しており、風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーのシェアを増やす政策を展開しています。これにより、化石燃料に依存する度合いを低減し、温室効果ガスの排出量を削減しています。

森林保護と持続可能な森林管理

フィンランドの森林は国の自然資源として重要であり、その保護と持続可能な管理が行われています。森林の伐採や再生産に関する法律が整備され、森林資源の持続可能な利用が促進されています。

リサイクルと廃棄物管理

フィンランドは廃棄物のリサイクル率が高く、ゴミの最終処分場への投棄を削減するための取り組みを進めています。自治体レベルでのリサイクル施設やリサイクル教育の普及などが行われており、環境への負荷を軽減しています。

実は、今では世界中に普及している空き缶やペットボトルのリサイクルの仕組みを作ったのはフィンランドだとされています。

環境課題の解決へ向けたさまざまな取り組みを行っており、政府が管理する研究所では環境問題を解決するための研究がおこなわれているのです。

フィンランドのような取り組みは、日本では不可能なのか

ここまでご紹介してきたフィンランドの取り組みはいずれも素晴らしく、日本でも実現すべきことばかりでしょう。

実は日本とフィンランドには共通点があり、日本の森林面積は国土の約67%とフィンランドの70%とほぼ同じで、多くの国が安全な水道水を飲めない中、日本もフィンランドも水道水を飲むことができます。

しかしながら、両者の環境への取り組みやその結果には、残念ながら違いがあると言わざるを得ません。

その例として、ペットボトル飲料への意識があげられます。

日本ではペットボトル飲料の消費もまだ増えており、リサイクル率は約86.9%にとどまっています。

一方、フィンランドではマイボトルの持参も多く、ペットボトルのリサイクル率は約97%。日本をはじめとする他国を大きく引き離した結果となっています。

これは、フィンランドでは、ペットボトルをリサイクルするとお金が返ってくる仕組みが後押ししていることも理由ですが、国民の積極的な行動なくしてはこの結果とはならないでしょう。

日本ではコンビニが身近にあり気軽に飲料を購入できることから、マイボトルを持参しない人も多いといわれていますが、フィンランドの実態と比較すると、環境問題の当事者意識の差は明らかであると言えるでしょう。

フィンランドのような取り組みは日本では不可能なのでしょうか。

実はフィンランドでは、税金が20%もかかります。日本に暮らす私たちは税金(増税)に対してあまり良いイメージを持っていないかもしれませんが、フィンランドは税金が高い分、福祉や環境などの取り組みを、国をあげて行いやすく、国民もその恩恵をあずかることができているのです。

つまり本来は日本こそ個々人が責任をもって環境問題に取り組まなければ、自分たちの将来を苦しくさせる結果となってしまう、ということから目を背けてはならないでしょう。

日本もフィンランドと同じくらい、自然に囲まれ、大きな恩恵を受けてきたはずです。

国や企業が環境問題へ取り組むことももちろん必要ですが、もとを辿れば私たち一人ひとりの課題・責任であるはずです。

世界一幸せな国と呼ばれるフィンランドの地球の未来を守る行動を見て、私たちも今の行動を変えていくことが未来の幸せにつながると考えて行動してみませんか。

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